今年の全米女子オープンは、大会直前にレクシー・トンプソンの今季限りでの引退表明のニュースで始まり、レクシーへの応援ムードが高まっていました。日本勢21人の参戦で私自身、今回は日本人選手のスコアリングができる可能性が高いとワクワクしながら現地入りしました。今回の会場はニューヨークから南西に260キロにある、ペンシルバニア州のランカスターにあるランカスターカントリークラブ。2015年に続く二度目の開催地です。ランカスターは文明社会から距離を置き、17世紀の生活様式を守って暮らすアーミッシュの街で、今でも農場を馬で掘削し。馬車で街中を移動しているのどかな街です。
練習ラウンドでは、木村彩子・尾関彩美悠プロに帯同しスコアリングの予行演習しました。コースの視察もかねて回りましたが、先ずはアップダウンの激しいこと、フェアウェイの傾斜が半端ないこと、グリーンが非常に読みづらいことと、アンダーパーで回る選手どれくらいいるのかなとコースの難しさに驚かされました。決して距離が長いわけでは無いのですが、ティーショットの落とし所を間違えるとパーを拾うのは難しい、グリーンも落とし所間違えるとスリーパット避けられないなど、選手をイライラさせる要因が多い印象でした。
そして本戦に入り、初日はアウト第一組スタート、ペースセッターになるべく組でしたが、各選手コースに悩まされて前半の途中でスロープレイのWarningを受けるほどでした。そして後半11番終わった所で驚きの光景‼️何と12番のパー3でグリーン上の組を合わせて4組待ちの大渋滞！はい、このホールが世界ランキング１位のネリー・コルダが10叩いたホールです。
後続組は、そんなこと知らずに足早で12番ホールに移動してきたので3組待ちの状態を伝えると、ティーアリアに座り込んでいる10数名の選手、キャディ、スコアラーを見て驚きを隠せない状況でした。後続組にいた河本結プロは「おにぎり食べよう」と言いながら同じ組の韓国のJeonプロとピクニック開始。僕にも声をかけてくれて毎年アメリカ中を駆け回ってスコアリングしている話をしたら「全米は弟が出るから宜しくね😀」って入ってくれました。
約40分待った末に12番をプレイして、何とか初日のラウンド終了。5時間越えのラウンドは異常です。
二日目は、2015年大会の覇者チョンインジの組にアサインされていたが、2名遅刻で繰り上げになり残念😢と思っていたら、何と日本人2名の組への繰り上げになりました。西村優奈・竹田麗央・Jodi Shadoffの組。スタート時に自己紹介した際に竹田プロのキャディのノリさんが、不思議と私を見ながら何か言いたそうな感じがしました。後で小岸さんとの関係も聞き、納得。それにしても竹田プロは未だ若いのにとても落ち着いたプレイをされる選手で、いつLPGAツアーに参戦しても戦えるなぁーと思いました。当地のメディアもRIOは何れ頂点にのぼれる素質を持ってると褒めていました。
土曜日は山下美夢有プロの組でした。キャディの野村タクヤさんは、僕のことを小平智プロのキャディである齋藤コウスケさんから聞いていたようで驚きました。山下プロが2年連続賞金王であることを知らずに付きましたが、ショットのキレと正確性には驚かされました。もっとJLPGAの選手について勉強しないといけないなと反省させられました。
最終日は早朝のラウンドで、岩井明愛プロの組でした。ご両親が見守る中、かなり苦労してスコアを落としましたが、最後に「また出直してきます！」とギラギラした眼で言ってくれました。
今回の全米女子は日本勢の素晴らしい活躍、21人中14人が予選通過。そして笹生優花・渋野日向子プロのワンツーフィニッシュ、トップ10に5人が入ると言う快挙！日本女子プロゴルフの底力を世界に見せつけた感じでした。
