ツアー

奈良で17年ぶりに行われる男子トーナメンの前回優勝者

関西オープンでこのKOMAカントリークラブに戻ってきた

2002年

日本プロ選手権

片山晋呉プロとのプレーオフで初メジャーを勝ち取ったのが久保谷健一プロ

そう私の小・中学校の同級生である

キャディ4年目にして、私の初優勝でもあった

今思うと、こんなゴルフをわからない私をその場に居させてくれて、尚且つ優勝を経験させてくれた久保谷プロに感謝である

こうして今でも二人、この業界にいれることも感謝である

17年前、優勝した週に、すこし変わった事件が起きた。

いつものように私が久保谷プロを乗せて帰っていると、今でいう「あおり運転」を若者が乗る4駆にうけた

私は多少その挑発に乗りそうになりながらもインターの分岐を急ハンドルで逃げようとした

するとあちらもあり得ないくらいの急ハンドルで追い越し車線から一気に下りてきた

目の前の信号は「赤」

プロからは

「止まるな」

「逃げろ」

の冷静な指示

青に変わるまでジリジリ運転

そして青に変わって、もうダッシュ

しかし4輪駆動車を左右に揺さぶりながら追いかけてくる

たまらずパチンコ屋駐車場に逃げ込む

それでも追いかけてくる

なんとか止まらないまま5分は逃げただろう!

最後は元走り屋のテクニックで上手く信号の変わり目とコーナーテクニックでまいた

そのとき2人で、

「今週は何かあるな!」

といい意味でも悪い意味でも言ったものである

そしたら優勝

その週まで5試合消化して、たしか1試合しか予選を通過していなかった

久保谷プロは、私に適当にドライバー5本選んできて!と言って、その中の1本で試合に望み、パターももう選んで!みたいな感じで言ってような…

パター練習も何か考えて!

もう全て投げやりみたいな様子

それでも練習だけはしていた

その直向きさが報われたのか、悪運が報われたのかはわからない

そして2週連続プレーオフ優勝に結びつけ、アメリカ予選会108ホール目にイーグル、バーディーフィニッシュ!

アメリカ切符までも獲得するところが何とも言えない渋いさを持っている

今も昔も変わらない久保谷プロ

そのままで…

 

ABOUT ME
渡辺 宏之
1971年6月21日生まれ。神奈川県出身。 東洋大学を卒業後、スキーのインストラクターをしながら小中学の同級生、久保谷健一がプロになったことでツアーキャディーに。 2002年に久保谷プロの2週連続優勝の後、2003年USツアーに本格参戦。 2004年から倉本プロのキャディーを務め、2006年から07年はアメリカシニアツアーに参戦。 女子ツアーでは服部道子プロ、古閑美保プロ、諸見里しのぶプロのキャディーを務め、優勝に貢献。 2010年、14年ではシニア賞金王、倉本プロの専属キャディーを務める。 2012年、15年には、I・J・ジャンプロのキャディーを務め、中日クラウンズで2度の優勝。 日本で開催されたUSPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」では、2021年、マッケンジーヒューズで4位。いままで自身アメリカツアー最高位13位を上回る。 2022年もピーターマルナリティのキャディとして2年連続の参戦。 その年、倉本昌弘プロ(67才)のエージシュート「63」のマネジメント力を間近で感じる。