ツアー

PGA Championship 第3ラウンド

全米プロゴルフ選手権3日目、ムービングデーとも呼ばれるこの日にケプカを脅やかすプレイヤーは出てくるのか?

現場に到着した際に「マット・クーチャーとジミー・ウォーカーで宜しくね」と言われ、二人ともベテラン選手で楽しみにしていました。無線ラジオ、ヘッドホン、スコアリングデバイスも準備して1番ホールに向かおうと思った際に「フランク待って!緊急チェンジ!」何事かと思ったら、僕のスコアリングデバイスを奪い取り別の人に渡したんです。状況を把握できない自分は、ただただ目が点になり暫く立ち尽くしてしまいました。その直後に「ごめん、君には大役任せるから」と別のデバイスを渡されました。そこには何とフィル・ミケルソンとザック・ジョンソンの名前がありビックリ! どのトーナメントでも大勢のギャラリーを引き連れるミケルソンの組、自然とワクワクしてきました。

1番ホールで待機していると、上下黒のミケルソンが現れ「今日一緒ですか?」と声をかけてきました。「はい、僕フランクです」と答えると「僕はフィル、色々あるかもしれないけど宜しくね!」とニコニコ顔で握手を交わしました。その後にザックが登場し、自己紹介していざ出陣!

観客席は超満員、その上コース沿いにも多くの観客の人だかり。そんな中、午後12時20分にスタートしました。ちなみに、この観客の山が最終18番ホールまでフォローしてきたんですよ。

今回の大会、ラフの深さ、密度の濃さ、長くて硬いフェスキューと呼ばれる草に選手は悩まされました。選手には飛距離と正確性の両方が求められ、その上で忍耐強さも要求されました。ミケルソンは途中の13番ホールで歩いている際にキャディに向かって一言「俺、決して調子悪くないのにスコアに現れないんだよなぁー、ブラックはモンスターだよ!」世界のミケルソンにこんなこと言わせるベスページブラック、恐るべし!

民族大移動で18番まで大勢の観客を引き連れてのラウンドはスコアラーにとっても最高でした。ミケルソンは観客の応援に必ず親指を立てて応えるのですが、今日の彼はとにかく最初から両手の親指で乱発してました。とにかく気になって5番ホールのパー4で数えてみたら何と85回親指立てました。これをパー70で換算すると1,487回!親指の腱鞘炎にならないのかな?

18番ホールアウト後は関係者専用の歩道橋を越えて、スコアリングテーブルに向かいました。スコア提出した両選手の表情は明るく、ザックの方はお決まりのサインボールを手渡してくれて握手。ミケルソンは「ごめん、僕ボールにはサインできないんだよね、だからグローブでいいかな?」とサインした手袋と試合球を手渡してくれました。今まで多くのスコアラーからミケルソンはやめておけと言われていたのですが、キャディが変わってからのミケルソンは大違いだと身をもって感じました。フィル、ありがとう!

最終日は誰につくのか楽しみだ!

 

ABOUT ME
フランク 早川
1963年1月生まれ。アメリ生活45年、ニューヨークにてITのコンサルティング会社を営んでいる。ゴルフ歴40年、とにかくゴルフをこよなく愛している。40代の頃はニューヨークで5本の指に入る腕前で今でも多くのアマチュア大会に参戦している。現在のハンデは7と低迷しているが、ニューヨークのアマチュアゴルフ界では知らないものはいない存在。 2003年からPGA・LPGAツアー並びにUSGA Championshipにてスコアラーのボランティアをはじめ、FedexCup Playoff、PGA Championship、US Openの上位グループのスコアラーも任されるようにまでなった。 またTokyo 2020では、ゴルフの競技委員として招待されるまでのレベルになる。米国内のクラブフィッター、ティーチングプロ、PGAプロ、フィジカルスセラピストとの交友も深く、常にゴルフ関係の動向にアンテナを張って生活している。