ツアー

隠れた動きとルール

 

2週連続プレーオフになりかけた柏原明日架プロ
Tポイントレディース

1

(私のTポイントカード)

大江プロのスーパーボギー!
1打差で4人のプレーオフになりそこねた。

大江プロ、あっぱれ!

その頃の私達は、もう2打差だから、食事をして帰ろうとしていた・・・。

大江プロの18番ティーショットが木の根元。
(食事は避け、プレーオフの準備)

大江プロの2打目が池。
(慌てて練習場に向かう)

大江プロの1メートルのボギーパットを決める。
(練習場で数球ボールを打ったところで、大会関係者にプレーオフがなくなったことを伝えられる)

それでも柏原プロは、来週のためにショットを続ける。
ゴルフというスポーツは、ほんと何があるかわからないですねー。

私はその結果を聞いて、ホールアウト後プロのお母さんに買ってもらった冷めきった牛丼を食べる。
涙混じりの汁をいっぱい含んだライスを噛み締めた。

プレーオフに進めなかった悔しさを圧し殺すかのように!

この位置にこれたのも、いろいろな要因がある。
プロのパットランキング1位1.68という率もあるが、ちょっとだけナイスキャディーがあった。

2日目の4番ホール。
なぜかしら生中継されていたので、ここでその状況を語ろう。

ピンが右奥の傾斜に切ってあり、右に外してはいけない場面。
充分左手前を狙ってもらう番手と方向をプロに伝えていた。
しかし無情にもボールは右のOBギリギリ・・・。

行ってみると、アプローチをあげても転がしてもなかなか寄らない位置。
しかもネスレのキットカットをパキッ!と割ったような大きな泥がボールに付いている。
そしてネチョネチョのベアーグラウンドの上にボールがある。

ボギーは覚悟・・・。
最善策として、転がしていく手段を相談のもとに選択。

そしてプロが9番アイアンを持って転がし用のアドレスをとると、スタンス付近に人工マットらしきものが…。
スタンスを取った足の下に、コケが生い茂っていたので気付きにくい。
「ちょっと待ってー!」
「そのスタンスの下に、ここの人工マットの端っこがないかな?」
と問いかける。
その言葉に反応し、競技員を呼ぶことに。
確かにコケの下に人工マットがあることが確認され、救済を受けれることに!

そして、てんこ盛りに付いた泥を拭けた上に、ネチョネチョしたベアーグラウンドを避け、ちょっとふかふかしたコケの上にドロップ成功。
転がしあげてワンパット!

プロの技術とキャディの視野の広さが生んだナイスパーであった!

のちにプロに聞いたところ、私が言わなかったら人工マットには全く気づかず打っていた!とのこと。
ダボも見えていたので、ナイスキャディー!

2

ということにしておいてください。

 

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ABOUT ME
渡辺 宏之
1971年6月21日生まれ。神奈川県出身。 東洋大学を卒業後、スキーのインストラクターをしながら小中学の同級生、久保谷健一がプロになったことでツアーキャディーに。 2002年に久保谷プロの2週連続優勝の後、2003年USツアーに本格参戦。 2004年から倉本プロのキャディーを務め、2006年から07年はアメリカシニアツアーに参戦。 女子ツアーでは服部道子プロ、古閑美保プロ、諸見里しのぶプロのキャディーを務め、優勝に貢献。 2010年、14年ではシニア賞金王、倉本プロの専属キャディーを務める。 2012年、15年には、I・J・ジャンプロのキャディーを務め、中日クラウンズで2度の優勝。 日本で開催されたUSPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」では、2021年、マッケンジーヒューズで4位。いままで自身アメリカツアー最高位13位を上回る。 2022年もピーターマルナリティのキャディとして2年連続の参戦。 その年、倉本昌弘プロ(67才)のエージシュート「63」のマネジメント力を間近で感じる。