こんなお店あったんですね・・・
かっては神戸元町に廣野GCメンバー方々、神戸財界の重鎮方々が贔屓(ひいき)にする松葉という寿司屋がありました。
1日1組カウンターだけの店でした。
10数年前に親方亡くなり、戦前戦後からの本当の意味でのプライベート感溢れる空間と芦屋や御影などに住み寿司を愛する食い道楽の方々が愛した店、、私も体験したかった。
しかし、そんな幻の店「松葉」とは少し違うも、御影や芦屋に住む方々から70年近く愛される店が阪急六甲駅から徒歩約10分ところにあります。
店の名は
彦六鮓(ひころくすし)
閑静な住宅街歩いていると、宮崎駿監督の映画に出てくるような建物が見えます。
その半地下にあるのが
先ずはカウンターに座り、キリン、アサヒ、サッポロから
グビーッとビールを飲み干します。
75年前先の大戦では神戸大空襲でも奇跡的にこの一帯だけは被害受けず、1995年での阪神大震災でも倒れずに頑丈さと運を持っている、この建物
大正時代からのもので100年以上たつそうです。
ホタルイカとワケギ、ワカメのヌタ和え
旬のホタルイカとワケギの酢みそ和え、年を重ねるほど美味いと思えるように不思議な一品ですね
このわた
ナマコの内臓の塩辛ですが、日本三大珍味カラスミ、ウニ、このわた
磯の香りがふわっと
ヒラメ
ヒラメ昆布〆
魚の旨味であるイノシン酸
活け締めして冷蔵庫に2日〜3日上手く保冷すると魚の旨味成分であるイノシン酸がピークを迎えます。
コリコリ活かっているのか、熟成か、それは個人の好みとその時の気分
店も客も不味いのが、どちらでも良い、ソレを知らないということ
鮨道は、鮨は単なる魚を切って酢飯の上に置いて出すような浅いものではありません
岡山沖瀬戸内のゴマサバ
背部分のブツを噛み締めた時の生サバ、ゴマサバの旨味が口中に拡がります
腹身も脂乗り旨し✨
かの文豪、芦屋に住居構えていた谷崎潤一郎
明石の鯛、鱧(ハモ)、鯖寿司をこよなく愛した谷崎
健啖家で
「健やかに生きるためには元気よく、明るく楽しく、やりたい事を精一杯貪欲に求める事こそ健康の秘訣なり」
と大の食通でもありました。
79歳の誕生日にはシャンパンと大好物の鱧などを食べながら祝い、その5日後に天に召された谷崎
その様な人生の達人が今でもカウンターで寿司をパクついているのではないか?
と思わせるほどの、空間と雰囲気
ニギリに参ります
日本酒を、日本酒はご当地灘を代表する櫻正宗のみ
シマアジ
ヒラメちりで
赤貝
赤貝のヒモ、肝
アナゴ
脂乗る焼きアナ
一番気に入ったネタでしたね
握りての生き様、彦六鮓の歴史と伝統全てが凝縮されたニギリ、一品だったと思います。
東京、名古屋、福岡からでも彦六鮓を訪れる価値あると思います。
銀座や北新地の艶やかなお姉様との同伴店で使われる高級店とは対極にある店です。
公と私
の違いでもあります。「私」を何のケレンもなく歩むのが彦六鮓
神戸市灘区宮山町2-1-7
彦六鮓(ひころくすし)
金曜日定休日
※要予約
上記内容に櫻政宗三合、追加ツマミ少しで諭吉一人と漱石数人
今宵も素晴らしい店と出会う事が出来ました、鮨・・・
今宵も楽しゅうございました✨
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