ツアー

第一線を退くプロ

エリエールレディースオープン

(ティーマーク)

この大会で今年のファイルQTは受けず、ツアーからの第一線を退くプロ達がいる

前の大会で大江香織プロが表明したが、今大会は佐伯美貴プロ、諸見里しのぶプロ、一ノ瀬優希プロ

そしてダンロップフェニックスで男子のキャディをした下村真由美プロ

実に私が女子キャディをしていて花を飾った選手ばかり

下村プロ、諸見里プロにいたってはよくキャディをさせてもらったプレーヤー

寂しいものである

佐伯プロと一ノ瀬プロは

「たまにはでるよ」といいながらも痛めた体がきついようである

しかし体を酷使してきた2人にとっては最終戦みたいなものでカメラマンの前では清々しい笑顔

練習場にいると、予選会で勝ち残ってきた中学生アマチュアがこちらを見ている

私が声をかけると、昔初めて女子の試合を見に来たときに佐伯プロにサンバイザーをもらったらしい

それを聞いた佐伯プロはまた太っ腹になり、新たなサンバイザーを持ってきて渡していた

新旧交代を感じさせるサンバイザーバトンリレーのようだ

私が一ノ瀬プロを最終戦でやることになったのも、2008年、当時コース的にもセッティング的にも難コースであった小樽カントリークラブで谷口拓也プロのキャディをしていて優勝した経緯がある

大学の先輩谷原秀人プロを18番のバーディーで優勝を決めた拓也プロにも私にとっても思いで深い大会だ

その谷口拓也プロが教えているプロ、鬼頭桜、一ノ瀬優希2人

鬼頭プロは日本女子プロで担がせてもらい、今回は一ノ瀬プロ

非常に楽しみであった

このコーチ拓也プロは練習日しか見ないで、いつも帰ってしまう

しかしながら今回だけは4日間ついて回ることを約束した

私的にも二人のプロの目がひかる中、ボンミスだけはできないという緊張感の中で戦った

結果は4日間アンダーパー

トータル11アンダーの二桁

この成績を残しての退き

もったいない気もするが、それが本人が決めたことでもあり人生のタイミング

また体とモチベーションをあげてくれば、いつでも試合でやれる

それをこの試合で私は再確認した

これからの人生、まだまだ長い階段

一歩一歩確実に登りつめていってほしい

第一線に戻ってきた時はいつでも担ぎますよ

(殿様が乗るカゴ)

 

ABOUT ME
渡辺 宏之
1971年6月21日生まれ。神奈川県出身。 東洋大学を卒業後、スキーのインストラクターをしながら小中学の同級生、久保谷健一がプロになったことでツアーキャディーに。 2002年に久保谷プロの2週連続優勝の後、2003年USツアーに本格参戦。 2004年から倉本プロのキャディーを務め、2006年から07年はアメリカシニアツアーに参戦。 女子ツアーでは服部道子プロ、古閑美保プロ、諸見里しのぶプロのキャディーを務め、優勝に貢献。 2010年、14年ではシニア賞金王、倉本プロの専属キャディーを務める。 2012年、15年には、I・J・ジャンプロのキャディーを務め、中日クラウンズで2度の優勝。 日本で開催されたUSPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」では、2021年、マッケンジーヒューズで4位。いままで自身アメリカツアー最高位13位を上回る。 2022年もピーターマルナリティのキャディとして2年連続の参戦。 その年、倉本昌弘プロ(67才)のエージシュート「63」のマネジメント力を間近で感じる。