ツアー

センチュリー21レディス 稲見萌寧プロ 優勝の軌跡

昨日お伝えしたとおり、試合のことや稲見プロのことを少し書きたいと思います。

おそらくスポともを御覧の方々は稲見プロの名前は今年になってちらほら聞くようになり、何となく気になってた方が多いのではないでしょうか⁉︎直近の試合と言うより出場している試合は初日から上位にいることがほとんどでしたからね。私も先週キャディーするまでは挨拶を軽くする程度で、いつも上位にいる選手だなと思っていました。今回キャディーをするにあたり成績がずっと良いのでどんなゴルフをするのか凄く興味がありました。

ただ第1ラウンド前日の木曜日の練習では全くボールが当たらない状態で、本人も上手くいかずイライラしているように見えました。調子のピークは過ぎたのかなと思っていましたが…。

第1ラウンドのスタートホールの1番ホールはティーショット、セカンドショット、パターとほぼ完璧でイーグル発進❗️昨日の調子は何だったのかと。その後も後半は風が出てきた影響か多少の浮き沈みはありましたが、初日は1イーグル、4バーディー、2ボギーの4アンダー、2位タイのスタートでした。

第2ラウンドは最終組からのスタート。1番ホールはバーディーが欲しいホール。前日はイーグルでしたから是が非でもバーディーが欲しかったのですが、ボギースタートでした。うちらの組がスタートするころには前日同様、風が強く吹いていました。その風も強弱があり、距離感合わずボギースタート。それでもボギーはその後1つに抑え、バーディーは5つ取り、2日目は3つスコアを伸ばしてトータル7アンダーで2日目を終えました。

そして運命の最終日。単独トーナメントリーダーでのスタート。稲見プロが以前からメディアのコメントに出ていた、“はざま世代のダイヤモンド” になれるのか⁉︎ また10代最後の日がどうなるのか⁉ ︎キャディーの私も楽しみにしていました。

1番ホールのティーショット後、2打目地点までの会話では、稲見プロは前日とある人には “ぶっちぎって勝つ” と話していたそうです。まだ数試合しか出ていない他の選手がこのような位置にいたら “自分のゴルフをして優勝出来たら良い” などと謙虚なコメントが出てきそうですし、出てくることも多いかと思います。しかし稲見プロはいつも “毎週優勝争いをしたい” や先ほどの “はざま世代のダイヤモンドになる” などとまだツアー出始めの選手が話したら生意気かなと思われることを素直に自分の思いを出してくる人なのです。後程紹介しますが、実際あんな練習をずっと積んでいたら自信しかつかないのかもしれませんがね。

では試合展開はどうだったのか⁉ ︎1番、2番はパーでスタート。3番ホールで最初のバーディーが来て波に乗れると思いきや、ここから前半の苦しい展開が始まりました。

続く4番ではティーショットが左にブレて木がかかる状態に。グリーン面の右が狙える程度でした。フックをかけて打った2打目がピンがある面とは違う上の面へ。20メートル以上ある、段を下る難しいパターが残ってしまいました。稲見プロはボールがある面はフックして、また下り落ちた面もフックするので、ある程度のフックと読んでいました。ただ私は段を下り降りるときはスライスが入るように見えたのでストレートめでも良いのではと話しました。彼女は僕を信じてくれてストレートめに打ちましたが… 。プロが初めに話していたとおりフックだったのです。セカンドパットも上手く打ちましたが、3パットのボギー。私は直ぐ謝りましたが、彼女のひと言は、“あそこにティーショットした私が悪い” と。でもそのティーショットも僕がそそのかしたのもあるのだけどと思いましたが、人のせいにせず受け入れた姿はまだ未勝利の10代の姿とは思えませんでした。

5番ホールは同組の中でも1番遠い7メートルほどのバーディーパット。そこでも稲見プロはラインを聞いてきました。前のホールでトンチンカンなことを伝えた僕に。スゴイなと思いました。2人の意見が一致し、難しいラインを入れバーディー。まだ流れは切れていない。がしかし、6番ホールのPAR5では1メートルほどのパーパットを外して3パットのボギー。今日はバーディー取った後にボギーと流れが悪い。前の2日間に比べて風が弱いので、下から伸ばしてくる選手が間違いなくいるコンディションでしたので、私が思い描いていたよりも厳しい戦いになっていました。さらに7番もアプローチから寄せた1メートル強のパーパットもカップに蹴られてボギーに。流れが悪過ぎると思いましたが、僕はプロに “これが優勝争いだね。まだ11ホールあるよ。ここからでしょ!” と話したらプロの返しが “ここから伸ばして勝ったらカッコいいでしょ❗️” と焦るどころか最後の着地点はブレずに優勝しかないと思い描けていたのでしょう。続く8番ホールのティーショットは他の2人は3Wで刻んでいるところを1Wでナイスショット。9番ホールのティーショットも2人が右に大きく曲げているところを1Wでナイスショット。少しずつ流れが来そうだったのですが、2打目の残り距離が余ってしまう状況でした。最終日の9番のピン位置は手前から29の左6。奥より手前のハズなのですが、短いほうのクラブだと手前過ぎになりそうだったので、大きめのクラブを短く握って軽く打つ選択に。ピンより手前に落ちたのですがピンより奥へ行ってしまいました。ファーストパットはどうやったら寄るのだろう、2パットで行くならどうすれば良いかと言うぐらい曲がる、そして最後に下るラインでした。ある意味このファーストパットが、1メートル弱に付いたこのパットがウィニングパットだったのかもしれません。

 


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勝負のバックナイン。11番ホールでは1メートル強に付きバーディーチャンス。曲がりそうに見えてましたが、その前にパターをしていた他のプロのパターの転がりを見たらあまり曲がらないのではないか⁉︎そして6,7番で外したパターは少し厚く読み過ぎていていたのではないかと。その反省から薄めに打ちバーディー! その後はパーを積み重ね、15番ホールのティーイングエリア横のリーダーボードでトップとの差を確認。トップと1打差。この15番ホールと17番ホールが勝負かと思いました。ティーショットはほぼ完璧。2打目は7番アイアンで少し軽めにピン方向に上手く打ちましたが、ピン奥7メートルに。カラーからもほんの少しこぼれていましたがパターでの第3打。バーディーが取れ、トップに並びました!

大会中は2番目に難しいホールになってた16番。ここもパーが取れ、勝負のホールだと思っていた17番へ。ティーショット、2打目と上手くいき、3打目はピンまで78ヤード。基本通りの風は軽い左からのアゲンスト。風が無ければ間違いなく58度のウェッジなのでしたが、少し迷いました。ただ最終日ピン位置は大きいクラブで打ったら止まりづらい場所でしたので、58度ウェッジで勝負を賭けました。しかし5メートルほどにしか付きませんでした。やはり風が少しありピンに絡みませんでした。でもバーディーの可能性があるところにボールがありました。プロも上手く打ちましたが惜しくも入らずパー。

残すところはあと1ホール。ティーショットは完璧、2打目はピンまで132ヤード。クラブは9アイアンで互いの意見は一致。ただこれをどう打つか? フォローでしたので115ヤードのキャリーの感覚で打つのか、それとも120ヤードのキャリーの感覚で打つのか、そこが難しかったです。僕は115ヤードの感じで大丈夫だと伝えました、あとは本人の風の感覚で微調整したのでしょう。ピン横3メートルに付きました。試合では決して簡単に入るラインではありません。ただ個人的にはラッキーだなと思ったのが、他の2人が先にパッティングをしてくれてカップ周りの感じが見れたことが、最後のバーディーパットが入ってくれたのに繋がったと思います。当然あのプレッシャーの中普通に打ったプロが凄いのですがね!

先にも書きましたが稲見プロは調子もそれほど良くなかったと思いました。ただ悪くても自分が戻れる練習があると

分かりますかね⁉

クラブヘッドの先にオレンジジュースとその先にボールが2球。ヒール側の後方延長線上にティーがクラブのライ角に合わせて刺してあり、先にボールが置いてあります。この間にあるボールを周りに置いてあるものに当たらず打つのです。

フェアウェイウッドでもドライバーでも。まぁ、これをずっとやってたら曲がらないなと思います。これはなかなか出来ないですよね。一般の方が真似をするとオレンジジュースが破壊されるかもしれませんので気をつけてください。また周りのボールも当たることがあります。

ちなみにオレンジジュースをそんな使い方をするなと言う方がいらっしゃるかもしれませんが、僕にはこのオレンジジュースが友達みたいに見えるのですよね。この練習が終わったら彼女はちゃんと飲んでます。

そんな稲見プロ、僕はまだ1試合しかキャディーしていませんがこの1試合で思ったことは⁉︎

“今年はまだまだ勝ちそうだ”

ということです。これからも注目してみてくださいね❗️

 


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ABOUT ME
関根 淳
関根 淳
1975年5月24日生まれ。日本大学卒業。通算2勝。 空気のような存在で居たい。終わってみれば『そう言えばいたなぁ〜』と言われるぐらいの存在で居たい。 しかしクールの中にも煮えたぎる熱き思いが、スポともGC通信で爆発するかも、、、 2010年からは丸山茂樹プロ専属キャディーを務め、2015年からは山下和宏プロ専属キャディーとしてツアー参戦する。 2019年は片山晋呉プロ、堀川未来夢プロ、脇元華プロのキャディーを務める