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プレジデンツ・カップ(練習ラウンド、開会式、前半戦)レポート

 

土曜日のマッチ終了時点で14.5対3.5の大差でアメリカが勝っており、アメリカチームの歴史的な圧勝で幕を下ろすと思われていましたが、世界チームが意地を見せ日曜日の12マッチを6勝3敗3分、19対11アメリカ勝利で幕を閉じました。

今回は二回に分けてレポートします。
先ずは練習ラウンドから開会式&前半戦です。

練習日にスコアラー用の携帯デバイスの試験利用を兼ねてアメリカチームに同伴させてもらいました。Dustin Johnson, Phil Mickelson, Matt KucharとKevin Kisnerの4選手。
練習ということもあり、和気あいあいでジョークをかましたり、前日の食事の話をしたり、そのレストランのウェイトレスの話をしたりと超リラックスモードでのスタートでした。
しかしお遊びムードは2ホールくらいで、そこからはかなり真剣になってきました。しかし驚いたのはキャディーが殆どグリーンのサーベーをしなかったことです。

選手同士は、色々な方向からサーベーしていましたが。。。
全米シニアで小岸キャディが、納得いくまでサーベーしてヤーデージブック真っ黒になるまで記入していた姿を思い出すと、この4人のキャディは何故と思ってしまいましたね。
過去に当コースではFedexCup プレイオフを2回だけ開催していますが、選手・キャディ含めて来たとしても2回がMAX。知り尽くしているとは思えない… ちょっと不思議でした。
僕が今回凄いなと思ったのはボールに対する拘りです。Dustin Johnsonが急にKisnerに「お前のボール二個くれ」と言いながらDustinも自分のボールを二個さしだしました。
「ケビン、何で点が一つなの?ライン短くない?」とか色々と質問してました。
そこから全選手による交換合戦が開始。最初なにやってんだろうとおもいましたが、交互にショットを打つフォーサムという試合の時にはチームメイトの球を打つことになるので打感、ボールのマーキングなども含めてなれる必要があるんですね。
DustinはTaylormade TP5x、PhilはCallaway Chrome Soft、KisnerはProV1、KucharはBridgestone Tour B XSと、この組で4種類のボールを使っています。
お互いにマークの特徴などを説明しあいながら、それぞれのボールを何度も打っていました。

続いて開会式と初日の模様。

プレジデンツカップ史上初となる歴代大統領三名の出席で開会式が行われました。
それもバラク・オバマ、ジョージ・ブッシュ、ビル・クリントンと過去三代の大統領勢揃い!
参列者の中には、ジャック・ニクラス、ゲーリー・プレイヤーもいました。

開会に際し、911の際に命を落とした地元の消防隊員の未亡人と父親同様に消防隊員になった息子がPresidents Cupトロフィーを抱えて先頭に立ち、参加国の国旗を従え入場行進し1番Tee Ground後方に設置し、開会宣言。
このTrophyは最終日まで1番TEE後方で輝いていました。

いよいよ試合開始です!

僕は4試合目のダニエル・バーガー/ブルックス・ケプカ(アメリカ)対 ルイ・ウーストハウゼン(南アフリカ)/ブランデン・グレース(南アフリカ)のスコアラーにアサインされました。初日はフォーサムという二人で交互に球を打って戦うフォーマットのマッチ。

南アフリカのコンビは最初から聞き覚えのない言葉でずっと喋っていました。アフリカーンス語というオランダ語とフランス語の混ざったような言葉だとキャディが試合後に教えてくれました。
それは相手に自分たちの作戦を聞かれたくないということと、わからない言葉を喋りまくって相手にイライラさせることも目的だったそうです。
アメリカチームはイケイケ男のケプカと小生意気男のバーガー、二人とも同じ大学出身の先輩後輩。仲が良いのか悪いのか分からない二人、会話が結構ギクシャクしてたのに驚きましたね。
ケプカ:おいダニー、ここはFWなんか持たずにドライバーでいけ!
バーガー:まじっすか!(首をかしげながら)
ケプカ:俺を信じろ!ドライバーしかねえだろ、ダニー!聞いてんのか?
バーガー:… (無言)
ケプカ:ダニー、しかとすんな?
バーガー:3番ウッド!(キャディに向かって大声で)

ケプカはイライラしながらTee Groundの外に歩いて行き自分のキャディに真っ赤な顔して耳打ち!多分放送禁止用語を連発してたんだと思う。

その後二人は別々に歩いていき、ケプカはバーガーの球が相手のドライバーショットよりも飛んでいるのを見ながらバーガーの方をちらっと見ました。その時のバーガーのドヤ顔は先輩に向かって「何言ってんだ、スプーンだろ」と言わんばかりの感じでした。この先ヤバいんじゃないかなと思ったその時にフレッド・カップルス副キャプテンが何かを察して三社会議。。。
そのあと少し落ち着きました。

最終的に初日アメリカが唯一負けたのはこのマッチのみ。

やはり敗因は二人の相性だったのでしょう。
アメリカが3.5 対1.5でリードで終了。

2日目は本業のお仕事でコースには足を運びませんでした。
アメリカ8対2と圧倒的な強さで終了。

後半戦は次回に。

 

 

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ABOUT ME
フランク 早川
1963年1月生まれ。アメリ生活45年、ニューヨークにてITのコンサルティング会社を営んでいる。ゴルフ歴40年、とにかくゴルフをこよなく愛している。40代の頃はニューヨークで5本の指に入る腕前で今でも多くのアマチュア大会に参戦している。現在のハンデは7と低迷しているが、ニューヨークのアマチュアゴルフ界では知らないものはいない存在。 2003年からPGA・LPGAツアー並びにUSGA Championshipにてスコアラーのボランティアをはじめ、FedexCup Playoff、PGA Championship、US Openの上位グループのスコアラーも任されるようにまでなった。 またTokyo 2020では、ゴルフの競技委員として招待されるまでのレベルになる。米国内のクラブフィッター、ティーチングプロ、PGAプロ、フィジカルスセラピストとの交友も深く、常にゴルフ関係の動向にアンテナを張って生活している。