ツアー

PGA会長、選手としてシニア最終戦を優勝で締めくくる

 

今シーズンのトーナメント日程は、ほぼ終了した。

シード争い、QT、終わればプロは、コンペの嵐。
そして合宿。
年間通して、意外に休む間がない。

選手以上に休んでいないのが倉本プロ。

練習も全くしていない!というかできていない。

なのに、最終戦で7打差、15アンダーのブッチギリ完全優勝

その週は次元が違った。
パターが凄い入ったわけではないが、ショットキレキレ!

そして得意の逃げ切り態勢にもっていく流れとマネージメント能力

レギュラーツアー30勝した人だから成し得る空気感

最終日も朝から大雨。

誰もが中止を疑わないくらいのコースコンディション

1 2

高知で行われている男子ツアーも、中止決定情報が入る。

何人かの選手は帰る準備を始めていたくらいだ。

倉本プロにも選手から、「会長、おめでとうございます」
と、声が掛かる。

だがしかし、倉本プロは決して「ありがとう」とは言わなかった。

それは会長として、スポンサーサイドの気持ちをくみ取ってのこともあるだろう。

この雨の中、ギャラリーも来ていた

私もキャディ仲間から、「おめでとう」と言われていたが、
「ゴルフは何があるかわからないからね」と言って、握手を断っていた。

最終決定の時間がきた時、半ば強行でスタート。

私達、最終組は1時間半後の約12時スタート

その頃にはまた雨が強くなり、天気予報からいっても中止が濃厚だった。

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2日目、こんな天気を予測してだか知らないが、最後の2ホールをバーディー・バーディーフィニッシュした。2打差つけて単独首位に躍り出た。

3日目中止になった場合を想定してのバーディーだったら凄い。
だけど、それをあたかも想定しているかのようなショットのキレとパッティングだった。

(そばで見ていたキャディ談) 笑

雨の止まないまま、最終組もスタート

この雨が強くなったり、プレーができそうな状態になったりする中、どうやってモチベーションを保ったのであろうか?

1番・2番ホールをバーディー・バーディースタート!

キャディが年間通してもっとも登り坂がキツイPar5をベタピン・バーディー!

前半3アンダー

後半スタートの10番も、雨でグリーンに水が浮かぶ中、10メートル以上のロングパットを決めてバーディー。

12番ベタピンバーディー。

13番はカラーから決めてバーディー。

こんな雨風のコンディションで、どういう感性をもっているか計り知れない。

そして18番
これまたロングパットを、
「これ、スライス、フック、どっち?」
と聞いてきて、
「きれるならフック」と私が答えた瞬間、あっさり打ってバーディー!
(この間5秒)

軽く両手をあげ、試合成立。

終わった頃に、やっと雨も弱くなっていた。

これで皆が認める優勝だし、シードラインも決定した。

男子ツアーが3日間で終わった場合、賞金には75%の額が加算される。今回の男子はそれによってシードの明暗がわかれた。
しかしシニアは2日間終わって中止になった場合でも、賞金は100%加算される。
これによってシードの明暗は分かれたが、3日間やりきってのことだから、誰も文句は言えない。

しかし、2日間で終わっても100%の賞金がもらえ、優勝が決まる所を、コンディションが悪い中プレーをして、大叩き。
平凡な順位に終わる可能性があった中、ブッチギリ優勝。

ほんと尊敬します。

私的には2日間で終わって、一年間倉本プロが多忙に動き回ったご褒美として、1日でも休みになって欲しかった。

やってみて優勝したから言えるかもしれないが、やってみて良かった。

あんなゴルフを見れたのだから…

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(雨の中、テントの下で優勝の挨拶件、大会コメントをスピーチする倉本プロ!倉本会長ならではの光景)

だけど、あの時に雨に濡れながらキャディをするのも大変なんですよー。

わかってくれますかー?
皆さん!

あー、ほんと優勝できて良かった。

これでゆっくりシーズンオフが過ごせます(笑)

 

 

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ABOUT ME
渡辺 宏之
1971年6月21日生まれ。神奈川県出身。 東洋大学を卒業後、スキーのインストラクターをしながら小中学の同級生、久保谷健一がプロになったことでツアーキャディーに。 2002年に久保谷プロの2週連続優勝の後、2003年USツアーに本格参戦。 2004年から倉本プロのキャディーを務め、2006年から07年はアメリカシニアツアーに参戦。 女子ツアーでは服部道子プロ、古閑美保プロ、諸見里しのぶプロのキャディーを務め、優勝に貢献。 2010年、14年ではシニア賞金王、倉本プロの専属キャディーを務める。 2012年、15年には、I・J・ジャンプロのキャディーを務め、中日クラウンズで2度の優勝。 日本で開催されたUSPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」では、2021年、マッケンジーヒューズで4位。いままで自身アメリカツアー最高位13位を上回る。 2022年もピーターマルナリティのキャディとして2年連続の参戦。 その年、倉本昌弘プロ(67才)のエージシュート「63」のマネジメント力を間近で感じる。