日本プロが行われている北海道クラシックゴルフクラブ
北海道らしいベント芝が映える緑鮮やかなコースである。
プロトーナメントにおいて距離は長い方ではないが、グリーンのアンギュレーション、バンカーハザード、ウォーターハザードの位置などは戦略性に飛んでいる。
そのコースを更に難易度を増す為に新採用された方式が、
「バンカーレーキとそのならし方」
である。
本来バンカーはハザードの一環であり、入るとピンに対して寄せにくいシチュエーションが出てくる。
私も海外でよく経験したが、入っていいバンカーなど殆どない。
なので、マネジメントとして、徹底的にバンカーを避けるクラブ選択や方向を考える。
しかし日本のコースセッティングは非常に綺麗で、プロにおいては綺麗に整備されたバンカーもOKとしてピンを狙うことが多い。
そこで海外メジャーに行っても通用する選手作りと考え方として持ち込まれたバンカーレーキ。
そしてこの考え方を試合で採用しようと提案したのは、どうやら現PGA会長である『倉本昌弘プロ』らしい。
(秘密…ではありますが、業界内ではバレバレ)
皆さんも、バンカーに入ると「嫌だなー」という気持ちが芽生えることがほとんどだと思いますが、プロの世界では平らにならしてあり、程よく硬いバンカーならスピンもかけれるし簡単である。
しかし今回は、砂が少し多めで、目玉になる確率も高い。
バンカーを熊手のようなレーキでピンに対して「横(垂直)」にならしてあるところがポイントである。
それによってどういうことが起きるかというと、当然熊手でならした溝に入り、尚且ピンを狙おうとすると、ボールの手前に小山があり、ショットの際フェイス面砂が入りやすくなる。
選手はこの状況を見るとダフりたくないし、トップもしてしまう可能性が見え隠れする。
このバンカーの状況を作るのにやはりボランティア皆様方の協力が必要となる。
朝からアプローチグリーン横で、PGAスタッフが「1時間近く」にわたるバンカーならしの講習会。
そして各組一人、その方達が組に同行。
私達キャディはバンカーをならしをする時間に左右されることなく、試合に集中できるというわけである。
これによって面白いデータがあったので紹介しましょう。
144名のプロがプレーし、何回位バンカーに入るか想像できますか?
今回の日本プロ初日、約170回バンカーに入っているそうです。
単純計算で一人一回。
この日のカットラインはワンオーバー。
なので、一回もバンカーにいれなければイーブンで回れる可能性が高い!
私のプロはバンカーに6回いれて6オーバー!
見事、私の算出するインチキ統計学にはまってしまいました。
ボランティアさんとの会話の中で面白いことを耳にした。バンカーに入った一番少ない組で2回。
多い組で15回。
ボランティアさん同士も何か競いあっているのであろうか?
私には回数が少なかったほうがいいのか、多くていっぱいバンカーならしをした事を自慢するかはわからないが…。
まー、夜の酒のつまみの会話にでもなってくれればそれでいい。
私も運良く海外試合によくキャディとして連れていってもらい、海外と日本との差を少しだけ感じとっている。
だから少しでもその差を皆さんに伝えていけたらなー!と思ってます。
私が前回全英シニアで行ったときのバンカーの状態は、粘土質で平らな部分はゴロゴロボソボソ。
斜面は綺麗にならしてあり、そこの打ちにくいエリアまで転がり込むようなシチュエーションになっている。
このバンカーに入らない為に、50ヤード手前に刻もうとしても入ってしまうコース。
ほんと頭使います。
日本プロは、2002年私が久保谷健一プロのキャディとして初優勝した試合でもあり、次の試合でも優勝し、2週連続優勝した思い出の試合でもある、
そしてまた、この日本プロで新しいバンカーならしを採用した倉本プロと何回か全英シニアに出たのもいい思い出になっている。
今後、この方がどのような方式を日本に持ち込んでくれるかが楽しみです。
(あっ!その隣にいる人も)
順不同
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