ツアー

ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント

今週のツアーは男子がISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント、女子がパナソニックオープンレディースです。今週は男子ツアーのほうに来ていますので、開催コースの太平洋クラブ御殿場コースを見ていきましょう。

No.11 505ヤード PAR4

一般営業ではPAR5として使用されているホール。選手たちはこのPAR4になったホールをどのように攻略するのでしょうか?
まずティーショットですが、右バンカーの左側がターゲットになってくるでしょう。無風やフォローの風であれば右バンカーは問題なく越え、むしろ左バンカーが気になるところです。ただアゲンストの風になると右バンカー越えが気になる選手もおり、更に左バンカーも入ってしまうかもと両方が気になってきます。どちらにしても長く、難しいホールですので、ティーショットは迷わずやり切って欲しいところです。
次に2打目ですが、グリーンまで見渡すと邪魔なものがたくさん視界に入ってきます。まずエッジまで100ヤードほどのところにある大きな木。これを避けてグリーンを狙わなければなりません。次にコースの右側にある林。グリーン近くになるとグリーン側に少し出てきます。この木々が少し右に行ったボールの落ち際に当たることが多いのです。せっかくフェアウェイからグリーンを狙って打ったボールが、少しのミスでトラブルになる可能性があります。ですから2打目は距離を出すとともに方向性がとても重要になってきます。
もともとはPAR5のホール。ティーショットでミスしたら3打目で、2打目でミスしたらアプローチの3打目で、結局3打目でどう纏めるかにかかるでしょう。
このホールを上手く通過できれば大きくスコアを伸ばすこともできるポイントとなるホールです。


日清都カントリークラブ

No.15 378ヤード PAR4

ティーイングエリアからグリーンまで見渡せるやや右ドッグレッグの短いPAR4。
多くの選手が刻むホールだと思いますが、風向き、ピン位置によっては1Wで打つのもアリかと思うこともあります。しかしピンに対して良い位置からパッティングをしたいと思うと、2打目をフェアウェイから打つことができなければ厳しくなります。そうなると距離が長くないこのホールは刻んでも、短いクラブでグリーンを狙うことが可能なので、多くの選手は刻むことになるでしょう。特に左ピンのときは1オンできる選手でなければ1Wを持つことは無さそうです。
2打目はフェアウェイから打てればある程度ピンを狙うことは可能ですが、ラフからの場合にはどう攻めるか選手たちを悩ませます。短いクラブを持っているので狙いたい気持ちが出てくるでしょう。しかしピンを狙って手前や奥、左や右、どちらかに外したら寄らない場所が、このホールのどのピンに必ず存在します。なのでラフからは割り切ってパーを目指す攻め方にしていかないといけないでしょう。
海外の選手たちはガンガン攻めていくことが多いことを考えると、前述の私の解説を関係なしに1Wで打っていく選手も多いのかも⁉︎ 知らない攻め方があるのかもしれませんね!

No.18 525ヤード PAR5

色んな選手たちがドラマチックなスーパープレーをしてきた、言わずと知れた太平洋クラブ御殿場コースの18番ホール。
まずティーショットですが、フォローの風なら1Wで左バンカーを越えてくる選手が多そうです。飛距離が出ない選手のほうが1Wで右へ打ってしまうと右ラフへ抜けてしまい、2オンを狙えなくなるので、むしろフェアウェイウッドなどで刻むことが考えられます。

次に2打目。2オン狙いの場合、グリーン手前から右に池があるので、左へ行くことが多いでしょう。左へ行っても手前のバンカーは悪くはありません。また池に入ってもボールが見える浅いところは打つことは可能です。
次に2打目で刻む場合、バンカーや右ラフから狙えないときになると思います。気をつけたいところとしては、右の池。距離の数字だけでギリギリまで打ってしまうと池まで転がっていくことがあります。特に池に近くなればなるほど池へ向かって傾斜しているので気をつけたいところです。
PAR5ですが、ティーイングエリアに立ったときは皆、“4”ないしは“3”までも意識をしているホール。最後の最後まで分からないこちらのホールも、このような解説がいらないビッグプレーがいっぱい出てきそうです。

いつも11月に開催される三井住友VISA太平洋マスターズ(以下VISA)に出場している日本人選手にとっては地の利を活かしたいところ。ただ時季が違うため芝の状態や気温も違うため違和感があります。
また練習ラウンドの風向きと試合からの風向き予報が異なっているため、どう対応していくのかがポイントとなりそうです。むしろ先入観がない欧州ツアーの選手たちのほうが、知らない・気にしないからできるプレーが良い方向にいく可能性があります。そしてVISAのときに見るマネージメントと違う攻め方も見られる大会になるかもしれません。
出場人数が156人。VISAの出場人数のほぼ倍。グリーンスピードがそのときほど出ていませんので、今週は優勝スコア、カットラインともにハイレベルな戦いになりそうですね❗️

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ABOUT ME
関根 淳
1975年5月24日生まれ。通算3勝。 空気のような、終わってみれば『そう言えばいたなぁ〜』と言われるぐらいの存在でありたい! 2010年からは丸山茂樹プロ専属キャディーを務め、2012年からは山下和宏プロ専属キャディーとしてツアーに参戦。 その後フリーで多くの選手のキャディーを務める。2024年は阿久津未来也プロ、宮里美香プロ、佐藤心結プロを中心に男女両ツアーに参戦。今年も若手からベテランまで色々な選手をフリーでキャディーを務める予定。