ツアー

日本オープン振り返り

14年ぶりのプレーオフとなった今年の日本オープン。
日光カンツリー倶楽部で繰り広げられた熱戦を、日ごとに振り返ってみましょう。

初日

前日から雨予報が出ていた初日。
午前中は小雨、午後にかけて雨脚が強まる予報。
実際には午前も午後も予報ほど強く降らず、プレーしやすかったと感じた選手もいたでしょう。

ただ日没が早く、雨による進行遅れもあって8組がホールアウトできずサスペンデッド。
翌朝に1stラウンドの残りが持ち越されました。

暫定首位は長野泰雅プロの3アンダー。
翌日に残りホールを消化した後、予定通り2ndラウンドが行われることになりました。

2日目

この日は前日の残りと2ndラウンド。
天気は晴れて、午前はやや風が強く、午後になると徐々に弱まるコンディション。
そのため、午後組のほうがやや有利に感じられました。

難しいセッティングに加え、ショットが安定しない選手には風が吹いても吹かなくても厳しいコンディション。
前日よりは明るい中プレーできたとはいえ、後ろの組は上がりのホールでライトが照らされ、なんとか競技を終了。

この日4アンダーをマークした原敏之プロと金子駆大プロが通算3アンダーで首位に。
カットラインは6オーバーの52位タイ(67名)でした。

3日目

ムービングデーらしくスコアが大きく動いた3日目。
前日も3アンダーで順位を上げていた清水大成プロが、この日なんと7アンダーの猛チャージ!

通算8アンダーとし、2位に4打差・3位以下に6打差をつけて独走態勢に。
この時点で「優勝はほぼ決まりか!」と思わせる展開でしたが、まさかそんなことになるとは

ゴルフは最後までわからないのだなと…


日清都カントリークラブ

最終日

曇り空の中スタートした最終日。
後半になると雨が降り出し、最終組に近い後ろの数組は雨中での戦いとなりました。

最終組の清水プロと金子プロはいずれも苦戦。
清水プロはバーディーが先行するものの、3つのダブルボギーが響き、後半4ホールで4オーバー。
フェアウェイを捉えられず、前日までの勢いを失いました。

一方、優勝争いは原敏之プロと片岡尚之プロの2人に。
原プロは17番で痛恨のダブルボギーを叩くも、18番でバーディーを奪って望みをつなぎ、片岡プロは最終18番をナイスパーで締め、プレーオフに突入。

雨の中のプレーオフでは、原プロが右の林に打ち込みながらもリカバリーして3mのパーパットを残すも惜しくも外し、一方の片岡プロは2打目をミスしてグリーンを外すもアプローチを1m弱に寄せて沈め、見事パーセーブ。

4年ぶりの2勝目がメジャータイトル・日本オープン!
さらに、全英オープンとマスターズの出場権を獲得しました。

大会を終えて

平均飛距離が突出しているわけではない片岡プロですが、アプローチとパターの技術で勝ち切る姿は見事。
海外メジャーでの戦いぶりにも注目です。

惜しくも敗れた原プロは、もし優勝していれば日本オープンで予選会から勝ち上がった史上初の優勝者となるところでした。
優勝を逃し悔しい結果ですが、これで自身初のシード権をほぼ確実に!
松山英樹プロ、石川遼プロと同世代の原プロには、最終戦のJTカップへの出場を目指してさらなる飛躍を期待したいところです。

また敗れたいつも攻撃的な攻めのゴルフの清水大成プロ。
最終日のゴルフに関して周りからは“なぜ?”と言われるマネージメントがあるでしょう。
でもその攻撃的なゴルフだからこそ3日目の7アンダーがあったはず。
最終日は上手くいかなかったこのゴルフをどう反省して次に活かせるのか⁉︎
精度を高めて次も同じように行くのか、それとも次は攻めずに守るのか⁉︎
どのようなゴルフをするのか、清水プロのゴルフにも注目したいですね❗️

波乱含みとなった日本オープン。
重厚な歴史とともに、やはり最後まで確実とは言えない難しいセッティングである大会。やはり今大会は選手たちの判断力・決断力・忍耐力が試された4日間だったのでしょう。

 

ecc

ABOUT ME
関根 淳
1975年5月24日生まれ。通算3勝。 空気のような、終わってみれば『そう言えばいたなぁ〜』と言われるぐらいの存在でありたい! 2010〜11年は丸山茂樹プロ専属キャディーを務め、2012年からは山下和宏プロ専属キャディーとしてツアーに参戦。 その後フリーで多くの選手のキャディーを務める。2025年は阿久津未来也プロ、山城奈々プロなどを中心に男女両ツアーに参戦。今年も若手からベテランまで色々な選手をフリーでキャディーを務める予定。