ツアー

ISPS HANDA夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント 振り返り

先週の男子ツアーは、北海道・ブルックスカントリークラブで行われた「ISPS HANDA夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント」。前週に続き、スコアの伸ばし合いとなったこの大会を振り返ります。

【初日】

午前中は風も弱く、選手たちにとってプレーしやすかったコンディション。
一時的に10分ほど雨が降り、その際に風も強まりましたが、スコアに大きな影響はなかったでしょう。ただ予報になかった雨に驚いた選手が多かったのではないでしょうか⁉︎

トップは8アンダーと好スコア。午後組もプレーしやすい状況で、アンダーパーは98人にのぼりました。
2アンダーが55位タイとなり、翌日のカットラインはこのときは「4アンダー前後」と予想されましたが…。

【2日目】

この日も午前中は穏やかな風。ところが午前組が終わる頃から徐々に風が強くなり、カットラインはもしかしたら厳しくなるのではと思われました。

しかし予想された4アンダーどころか、カットラインは6アンダー❗️
「まさか5アンダーでも切られるとは…」と驚いた関係者も多かったはずです。


日清都カントリークラブ

【3日目】

風は前日までより弱め。上位陣はスコアを伸ばす展開となりました。
しかし、ピン位置は攻めて外すと寄せにくい難しさもあり、調子や状況を見極めたコースマネジメントが求められる一日でした。

この日ベストスコアの10アンダーを出した幡地隆寛プロが、大岩龍一プロと並びトップに浮上。
一方で、ハイレベルな予選を通過してきた実力者でも大きく崩れる姿が見られ、決して易しいセッティングではなかったことを表していたと思います。

【最終日】

最終日も風は弱く、スコアの伸ばし合いに。
そんな中、小平智プロが63(9アンダー)をマークし、7年ぶりの優勝を飾りました。

勝負を分けたのは爆発力。安定してアンダーを積み重ねるだけでなく、最後に一気に伸ばせる選手が勝利を手にしました。

【潮目を変えた2週間】

この2試合は、単なるバーディー合戦以上の意味を持つ大会だったかもしれません。

多くの選手やキャディーは、練習ラウンドやプロアマの後に「優勝スコア」や「カットライン」を予想します。私自身も予想していますが、予選カットライン予想を大きく外すことはそれほどありません。

ですが、この2試合のカットラインは

 • 前週    →  8アンダー(史上最少)
 • 今大会 →  6アンダー

普段ならトップの選手とのスコア差は10打前後が目安になります。ところが今大会はトップ13アンダーに対し、カットが7打差の6アンダー。

差が小さいということは、選手全体の底上げを感じさせる結果だったのではないでしょうか❗️

ブルックスCCは前週の御前水GCよりも全体で200ヤード以上長く、長いクラブを持たされる場面が多かったはず。それでも多くの選手が易しい状況を確実に活かし、ミスを減らしてスコアを伸ばしていきました。つまり、易しい状況からのミスが少なく、チャンスをしっかりものにするということで、今まではスコアの伸ばし合いだと上位と下位が開いていくことが多かったのですが、混戦になっていたというのは選手全体のレベルが確実に上がっているということでしょう。

もしかすると、この2試合は「日本ツアーの潮目が変わった大会」と後々思われる試合になるかもしれません。
選手のリミッターが外れたような戦いぶりに、これからの日本ツアーを占う意味で、非常に大きな2試合だったかもしれません。次戦以降、この流れがどう続くか注目したいですね❗

 

ecc

ABOUT ME
関根 淳
1975年5月24日生まれ。通算3勝。 空気のような、終わってみれば『そう言えばいたなぁ〜』と言われるぐらいの存在でありたい! 2010〜11年は丸山茂樹プロ専属キャディーを務め、2012年からは山下和宏プロ専属キャディーとしてツアーに参戦。 その後フリーで多くの選手のキャディーを務める。2025年は阿久津未来也プロ、山城奈々プロなどを中心に男女両ツアーに参戦。今年も若手からベテランまで色々な選手をフリーでキャディーを務める予定。