40年越える歴史に3月一杯で幕を閉じる名店があります。
神戸福原のど真ん中に、その店はあります。
神戸福原といえば
まー、そのような場所ど真ん中にあります。
当日は、2月寒い日でした。仕事帰り直接店に向かい、神戸泊
駐車場に車を停めるも、360度その様な店(笑)
私の目的は
神戸市兵庫区福原町3-21
宝馬(ほうま)
078-576-4904
※2024年3月一杯で閉店
天然トラフグのみを扱う、神戸の知る人ぞ知る名店です。
40年以上、神戸の政財界、表の方も裏の方も、その道を極められた方々が集った店でした。
天然トラフグのみ
当日は、お世話になっている方と其の友人方、4名での宝馬を堪能させて頂きました。
小上がりに4名陣取り、流行る気持ちを抑えながら乾杯🍻
今まで、人の舌に心に沢山の思い出を刻み残してくれた宝馬に乾杯
ポン酢を小指でペロッ
酸味と旨味の絶妙なバランス
フグ皮来てからの?
てっさ10人前
当日お誘い頂いた敬愛する方曰く、「ガバッと食べないと良いフグの美味さを堪能出来ない、美味いてっさはエンドレス」
確かに、、、
遠慮なく行かせて頂きました
アゴの筋肉に適度な負荷を与える天然トラフグの、てっさ
かの北大路魯山人はフグとワラビを好まれましたが、其の意は「味がない」からと
深意は其処にはないのは、ご理解頂けると思いますが、北大路魯山人らしく、愛するが故の突き放した表現の妙ですね
噛み締めるほどに、旨みが鼻腔を抜けて極楽浄土に召されます
生ビール2杯行き
白ワイン
フグ唐揚げ
手でむしゃぶりつくのが礼儀です
そして
香ばしい薫り
コク
こりゃ堪らん😋
そしてメインが来ました
鍋奉行曰く
「温度を高めたままが大事」
まずは、巨大なフグ白子
「直接ポン酢に入れたら水っぽくなるから」
の、お気遣い
口中でトロける様でございます
身体全体がトロけちゃいます
トゥルントゥルン皮目
ホロっと崩れながらも、天然トラフグの弾力性保ちながらの絶妙な塩梅
鍋奉行の美技、アッパレでござる
白子を特製ポン酢に浸し、モグモグプハーッ
「一番美味い所食べたら」
と、鍋奉行
一心不乱に骨の髄までしゃぶりつくします
フグを堪能してから野菜、豆腐
フグの味が豆腐に、白菜に憑依し、白菜大権現豆腐大権現と神格化されたぐらいの変わり様
人は仕事で磨かれる、伊藤忠商事社長勤められた丹羽宇一郎さんの言葉ですが、お借りするなら
豆腐と白菜は天然トラフグで磨かれる。
鍋終え、コンロの炎切ると、其処には乳白色の
〆、鍋奉行曰く
「コレがメイン。」
一杯目は何も足さずに食します
二杯目は、追いポンし、食します
そして、三杯目の継酒🍶
兵庫県初代県知事は伊藤博文公ですが、毒持つフグを食べてよしの解禁与えたのは、同公なんですよね、下関の春帆楼に(明治21年)
春帆楼といえば日清講和条約の舞台ともなった場所
当日の天然トラフグは下関より取り寄せられたものでした。
40年以上に渡り、表の方も裏の方も、宝馬のフグを食す時だけは自ずからフラットでオヤジさんの裁くフグの前に平伏して参りました。
その暖簾が降ろされます。
降る雪や 明治は遠くなりにけり 中村草田男は詠みましたが
咲く桜 昭和は遠くなりにけり 読人不知
神戸の街が最も活気に沸いたのは昭和40〜60年ぐらいだったと良く言われます。
残り香の様に孤軍奮闘された炎がまた一つ消えてしまいました。
しかし、栄枯盛衰輪廻転生、それが世の常
宝馬の様なホンモノが新しく生まれてくる事を期待しつつ、また、其の様なホンモノを理解し応援する人も育てていかないと日本の食文化だけでなく、日本国自体の真の美しさが消えていくのでは、、、と感じた夜でもありました。
今宵も楽しゅうございました✨
そして、皆様に宝馬の天然トラフグを堪能させて頂いた後、寄り道せずに、まっすぐ三宮のホテルに代行で帰路に着かせて頂いたという事も報告させて頂きます。
鍋奉行は何処に行かれたか存じ上げませんが・・
もう、春ですね🌸