ツアー

ゴルフ界と車の関係

三井住友VISA太平洋マスターズ

今年の天気はあまり良くないが、時折世界遺産の富士山が顔を覗かせる。

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パッティンググリーンからと練習場からも望むことができる。

練習場から見える富士山と反対側に素晴らしいアプローチグリーンがあるのだが、その横にはもっと素晴らしい牛の姿が見れる。

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この牛の香ばしい臭いがしたときは、「北風だら~!」「東風が入ってるだら~!」(静岡弁?)と、

風向きの判断材料になる。

今回の優勝副賞はBMW。

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パッティンググリーン横には副賞ではないのだが、2000万円するニュースポーツカータイプのBMWが飾られている。

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プロは優勝すると3000万円。

このスポーツカーを買ったとしてもおつりがくる。

それだけ優勝は価値のあること。

私達キャディも、こんな高級車に乗ってみたい。

そんなキャディにとっての車は大切な移動手段でもあり、荷物をたくさん乗せて、次から次へと全国の会場を渡り歩く。

お陰様で私のハイブリット車エスティマも、もう少しで走行距離30万キロをむかえる所だ。

キャディにとって車は切っても切れない関係である。

今週私のエスティマがめでたく車検を通った朝、一人のキャディ(仮名・串丸雅子)と駐車場からのシャトルバスで一緒になった。

「今、道間違えてUターンしようとバックしたら、車の後ろを柱に軽くぶつけちゃいまいた」

「時間なかったからそのままっす!」

とおもしろ可笑しくその状況を話してくれた。

その内容から私は、「ちょっとへこんだくらいかな?」と想像していた。

すると帰りにキャディパーキングに行ってみると、朝、串丸さんが話していた車らしきものが私の車近くに止まっていた。

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(バンパーガタン、テールランプボヨヨ~ン)

こんな状態でおもしろ可笑しく話せたな~。

器の大きさを感じるぜ。

私だったら、「今週はただ働きだ~!」と泣いているところだ。

私を除き、キャディは強い奴が多い。
きっと串丸雅子(仮名)さんが車をあそこまでぶつけて気丈に振る舞えたのも、普段からゴルフコースというところでいっぱい選手の事故を見て、

時には自分も事故を起こすようなジャッジをしていたからに違いない。

それくらいゴルフというものは過酷なスポーツであるということを知ってもらいたい。

私も車の事故も当然気をつけたいが、ゴルフコース内での事故を避けるために、コースチェックを更に入念にやらねば・・・と痛感した日でもあった。

それにしても串丸雅子さん、あの車をどうするのだろう?

皆さんみたいにぶつけたからすぐ地元のディーラーに出す!というわけにはいかないのがこの仕事。

今週優勝してプロに、「優勝できたのはお前のおかげだ!」と言わして車でももらってください。

そんなことはまずないとは思いますけどね・・・。

 

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ABOUT ME
渡辺 宏之
1971年6月21日生まれ。神奈川県出身。 東洋大学を卒業後、スキーのインストラクターをしながら小中学の同級生、久保谷健一がプロになったことでツアーキャディーに。 2002年に久保谷プロの2週連続優勝の後、2003年USツアーに本格参戦。 2004年から倉本プロのキャディーを務め、2006年から07年はアメリカシニアツアーに参戦。 女子ツアーでは服部道子プロ、古閑美保プロ、諸見里しのぶプロのキャディーを務め、優勝に貢献。 2010年、14年ではシニア賞金王、倉本プロの専属キャディーを務める。 2012年、15年には、I・J・ジャンプロのキャディーを務め、中日クラウンズで2度の優勝。 日本で開催されたUSPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」では、2021年、マッケンジーヒューズで4位。いままで自身アメリカツアー最高位13位を上回る。 2022年もピーターマルナリティのキャディとして2年連続の参戦。 その年、倉本昌弘プロ(67才)のエージシュート「63」のマネジメント力を間近で感じる。