広義ですと
「町寿司」
に入るのでしょうか?
ススキノ、国分町、銀座、西麻布、片町、錦、北新地、ミナミ、流川、中洲etc
全国には社用族、観光客、種々紳士淑女方々集まる繁華街があります。
そこ、その近辺には必ず鮨屋の名店があります。
いわゆる磨き抜かれた目と舌、我が審美眼に絶対の自信もつ食い道楽方々、大事な接待で使用されるビジネスシーン・・・
自然淘汰
店も客筋により磨き極められていくのは自然の流れで理(ことわり)
その様な場所の対極にあるもナイのが
「町寿司」
いわゆる、私たちが住む地域にある寿司屋を意味します。
私の長年の持論。
「町寿司」に行き時を過ごせば其の街が分かる。
です。
今回は日本イチの高級住宅街兵庫県芦屋市にある
如月(きさらぎ)にお邪魔しました。

先ずはビール
アサヒ、キリン瓶ビールのみ
キリン瓶ビール頼み

かの北大路魯山人は大のビール党でキリン小瓶しか飲まなかったらしいですね
さて、喉を潤し

カツオ
アコウ
タイ

関西では、特に京阪神高級住宅街に住んでる方々は白身ですね
白身が生命(いのち)

ハモ梅肉と
夏の関西に鱧(ハモ)は切っても切れない魚ですね
梅雨の雨を鱈腹吸いハモは旨くなる・・・
と言いますが、芦屋に居を構えた文豪 谷崎潤一郎も鱧(ハモ)をこよなく愛した方
79歳の誕生日に大好きなシャンパン飲みハモを食べ、周りは年齢に合わない飲みっぷり食べっぷりに驚いたらしいのですが、その6日後に亡くなられたんですね
谷崎が亡くなったのは7月30日、ハモが美味い季節でした
さて、次は

道産牡蠣煮
夏の厚岸岩牡蠣など、道産牡蠣を生で食べると、クリーミーさが故の牡蠣本来の旨味が消えてしまい少し残念になる時ありますが、火を通す加減によりクリーミーさが旨味に昇華する逸品でした
キリン瓶ビールもう1本
そして

イカと雲丹

マナガツオ幽庵焼き
ここで、大好きな大阪府北部豊能郡能勢町にある秋鹿酒造
秋鹿を冷やで

舌の上でコロコロ玉の様に舞い、喉を、食道、胃を、流れ通る細胞のヒダ一つ一つに優しく染み渡る秋鹿
大好きな日本酒です


如月(きさらぎ)の親方
愛想よくニコニコ、こちらに話しかけて来られる方、タイプではありません。
陳腐な表現ですが
「頑固」
と言う言葉でしょうかね?
しかし、ピリピリしている訳ではありません。芦屋という街で長年店構える親方
芦屋に在住の方々が大事にするプライベート空間
美味しい物を食べて欲しい、あくまでも職人は裏方で時間と空間、寿司を楽しんでくださるお客様が主人公!
からの一歩引いた寡黙さこそが親方の本音と姿勢だと私目、寿司太郎はお見受けさせて頂きました。
ニギリに参ります
秋鹿、もう1合

鯛チリで

アジ

ウニ 塩で

生鳥貝 スダチと塩で
鳥貝は生が圧倒的に旨いですね!
ミネラルタップリの内湾で育てられた丹後鳥貝
ボイルされ上手く管理出来ていない水っぽい鳥貝と対極にあるのが、この一品でした
美味也
秋鹿もう1合

マグロ中トロ

鮑

車海老
そして〆は

煮アナゴ
この言葉が似合います
美味しい!
理屈ナシに
如月(きさらぎ)は芦屋市と近郊に住む人為だけにあり、其れを良しとし、客も其の為だけに訪れ、寿司を楽しむ事が出来る芦屋市だからこそ成立する究極の「町寿司」に他なりません。
その根幹を理解してカウンターに座れば、自ずと心地よい時間を過ごすことが出来ると思います。
今宵も楽しゅうございました
諭吉2枚はいかず


