ツアー

PGA Championship 最終日

PGA Championship最終日、二日連続で夢のようなグループに付かせてもらった僕ですが、三日連続でミラクルは起きないだろうと思いながら現地入りしました。今日も、ゴルフ仲間で今回ボランティアの世界に引きずり込んだ遠藤さんの車で会場から約4キロほど離れた大学にあるボランティア駐車場まで一緒に行き、バスに乗って会場へ。

この遠藤さん、実はプロの凄腕カメラマン。

これまでの全米プロの投稿で使用した写真の多くは彼が撮影してくれたんです。Photo ©︎ Nagamitsu Endoのクレジットが入ってます。本当に有難うございました!彼はボランティア初体験ということで、16番ホールのマーシャル(観客誘導係)を担当しています。

スコアラーのデスクでチェックイン。キャプテンのボブから「昨日までとは違うけど、今日はアーロン・ワイズとティレル・ハットンでお願いね!」と言われ、時間になるまでスタンバイ。その後デスク周辺が何だか騒がしくなっているなぁーと思ったら「フランクごめん、交代交代!」「やっぱりお前には別の組だ!ローリーとトニー頼む!文句ないよね?」自分の耳を疑いました。こんなこと有っていいの?他のスコアラーに申し訳ない思いもあったけど、PGAがそこまで自分を信頼してくれているというメッセージが伝わってきて最高に嬉しかったです。

二日連続の最後の最後での交代劇、バタバタしている中で冷静になれと自分に言い聞かせ出陣!

ボードを持つブランディー少年を連れて1番ホールに向かいました。お決まりの場所で選手を待って、お決まりの挨拶にハンドシェーク。ローリー・マキロイは2013年のFedExCupプレイオフ初戦(ザ・バークレーズ)でスコアリングしたので二回目。自己紹介した際に、彼があれっという顔して「以前スコアリングしてくれたよね?」僕は「Barclaysでやったよ」彼は「やっぱりね!」と大きな笑顔で再度ハンドシェーク。6年前なのに覚えてくれたんだ!最高に嬉しかった。トニー・フィナウは初めて付きます。彼のコンパクトなバックスイングからの力強い球はテレビ画面でよく見ていたので楽しみ。彼も笑顔で自己紹介、キャディのケビンも凄くナイスガイでした。

やはり最終日、観客席は満席でコースのロープ沿いにもマケロイ見たさに観客が大勢いました。

両選手とも、耐えながらパーを拾い前半終了時ローリーはラウンドとしてイーブン、トニーはワンオーバー。しかし後半に入り明暗が分かれました。トニーは後半7ホール中フェアウェイキープたったの1ホール且つパーオンも1ホールのみで8オーバー。ローリーはフェアウェイキープとパーオン共に3ホールでしたが、寄せとパットで見事にワンアンダー、お見事でした。

今回のベスページ・ブラック、フェアウェイを外しても、パーオンできなくても、しっかりと寄せとパットでパーをどれだけ拾えるか、そしてプッツンこないで冷静に我慢のゴルフをした選手が上位に行けたんです。

今日のラウンドで印象深いのは、ローリーが15番のティーショットを右ラフに入れた後の2打目がシュルシュルっと地を這って50ヤードしか進まなかった時のこと。「このコースには、もうお手上げ!I give up!」と、白旗宣言したんです。それを横で聞いていた僕は思わず頷いて苦笑い。昨日はミケルソン、今日はローリー、2日連続でツアーの強者2名にそう言わせたこのコースは全米プロ開催に相応しいコース。2024年のライダーカップ開催が楽しみです。

無事にラウンドが終了し、スコアリングテーブルに行き両選手と話をして別れました。

懲りずにまたセルフィー!ローリーは僕からスマホを奪い取って撮影。

僕の全米プロはこれで終わった、3日間本当に素晴らしい選手に付けて幸せでした、という思いでデスクに戻ったその時「フランク、最終組のデビッドがビッコひいているって周囲から聞いてるんだけど、様子見てきてよ」と言われて、休憩する間もなく10番ホールに向かってPGAのスタッフと移動。とにかく本人から交代要請が来てないので、様子をみるだけと思い行ってみました。

そこで目にしたのはビッコ引きながら選手たちに50ヤード以上遅れをとってるデビッド。この10番TEEショットの写真の中には彼の姿はありませんでした。彼のもとに行き「足を引きづってるけど大丈夫?必要あれば交代するから言ってね」と声をかけたら「大丈夫だから、ほっとけ」と言われてしまいました。しかし、明らかに仕事ができていない様子だしボード持ってる少年に状況を聞いたら、デビッドから殆ど情報なし、少年が自分でショット数を数えてボードをアップデートしているというお粗末さ。僕は自分の判断で、その組に付いて裏方に徹し全ての情報を無線の空きチャンネルを使ってデビットに伝えることにしました。さっきまで、ほっとけ失せろ的な発言したデビッドも自分の役割を奪いに来たわけじゃないと認識したのか、急に僕にすり寄るようになりました。

11番ホールからは、全てのショットの打つ位置、ライの状況全ての情報を伝え彼には入力に専念させ、極力歩く距離を少なくなるようにしました。とにかくデビッドが倒れることなく18番に到達すること、そして彼が入力する情報が100%正確なものであるように最善を尽くすこと、これが僕の使命でした。その使命も果たすことができ、裏スコアラーの仕事を終えました。裏スコアラーをしたことで、最終組にべったり付いて18番まで行けた、そしてブルックス・ケプカ選手の全米プロ二連覇の瞬間をグリーンサイドで見れたことは最高の思い出になりました。

スコアリングテーブルにも行きましたが、僕は前には出ずにデビッドがあくまでもメインのスコアラーとして前に立ってもらいました。そのおかげで、後ろで待機していたケプカの彼女(ジェナ・シムズ)と話ができてセルフィーまでしてしまいました。

数々の良い経験させてもらった今回の全米プロ。PGAツアーの普通の大会、USGAの大会、FEDEXカッププレイオフ等と全く違う緊張感と雰囲気を体感しました。この素晴らしい機会を与えてくれたPGA OF AMERICAの関係者、そして本大会に参加した全ての選手に心から感謝します。

 

ABOUT ME
フランク 早川
フランク 早川
1963年1月17日生まれ。 1978年単身アメリカに留学。 1986年ラ・サール大学理学部生物学科卒業 1987年 鐘紡株式会社入社 1992年Kanebo Information Systems Corp. (USA) 出向 2000年 同社社長就任 2007年 ニューヨークにてDouble Eagle Solutions(IT Consulting会社)起業現在に至る ゴルフ歴25年、とにかくゴルフをこよなく愛しています。週末は必ずゴルフをしないと震えがくるゴルフ依存症の54歳、40台の頃はニューヨークで五本の指に入る腕前で今でも多くのアマチュア大会に参戦している。現在のハンデは7と低迷しているが、ニューヨークのアマチュアゴルフ界では知らないものはいない存在。 過去10年は、PGAツアー並びにUSGA Championshipにてスコアラーのボランティアにも力を入れており、FedexCup Playoff、PGA Championship、US Openの上位グループのスコアラーも任されるようになった。 クラブフィッター、ティーチングプロ、ローカルPGAプロ、スポーツセラピストとの交友も深く、常にゴルフ関係の動向にアンテナを張って生活している。