ツアー

全英オープン – テレビの裏側 –

天候に左右される全英オープン。
それに対応していかなければならないのは選手だけではない。
テレビスタッフもいろいろな対応を余儀なくされる。

第144回全英オープンは、27年ぶりに月曜日が第4ラウンドになりました。
開催に合わせて各国のスタッフが宿泊施設延滞、飛行機の変更に慌ただしかった。
私が行った3日目の土曜日は強風により中断、テレビスタッフは試合再開情報待ち。
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メディアセンターから各国に最新の情報が送信されています。
はっきり言って、デカイ。

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日本のテレビ放送ブースにも立ち寄りました。
移動用ゴルフカートは他の人が乗って行けないように、暗証番号式のロックがかかっています。

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今日のランチは焼きそばにしました。
そこには青木功プロ松岡修造プロテニスプレーヤーがランチを取っていました。

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青木功プロが待機しているブースに見学に行きました。

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多分30分くらいお話しさせてもらったと思います。
その中で私の知らない面白いテレビの裏側を話してくれました。

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高いクレーン車に乗って、コースを上から撮影しているカメラマンが選手を追っています。

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しかし、高い場所に一旦あがると、選手がプレーしているため、中々下りてこれません。
そういう時「あ~ゆ~」万が一の事態に備えて、オムツを履いて撮影を続けているそうです・・・。
大人って大変だ!

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青木プロからは、こちらのコースをプレーした時と今のセッティングの違いを語ってくれた。
17番ホールのホテルの壁に向かって打つホールだが、今年は以前の455ヤードから495ヤード、40ヤードティグランドが下がった。

青木プロ
「今の選手は楽々あの上を越えていっちまうけどな~ぁ、俺ん時はティーグラウンドが前で壁に当たっちまうんじゃないかと思ったもんだよ~ぉ」
「あの壁は妙な圧迫感があったもんだ~ぁ~」

・・・なるほど、距離が長くなったからといって難しくなるとは限らない。

こちらのことには、興味があったので、今でも全英日本人最上位フィニッシュ4位の倉本プロにもあとで聞いてみました。

「昔のほうがたとえ壁を越えたとしても、その向こうのフェアーウェイが抜けやすくって難しかった。今は広くフェアーウェイを広く使えるな!」

ですって・・・。

こういう話を聞きながら・・・全英144回の歴史を少しだけ感じることができた。
シニアの試合会場でよく会うが、あえてゴルフの聖地でプライベート写真をお願いしたら、
「全英らしいところで撮ろう!」と、わざわざブースから出てくれました。

このときの為にと言ったら変ですが、私なりに日本から小ネタを用意。
2005年タイガーが、ダブルグランドスラム(すべてのメジャーで2勝以上)を達成した年のヤードエージブックと今年のヤードエージブックを合わせて、パシャリ!
(これをこの会場に持ってきたのは私ただ1人であろう・・・。)

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この時代のヤードエージブックに比べ、今のヤードエージブックは色付き写真付きで実に見やすい。
それに比べてこの手書きヤードエージブック。

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・・・何故かしら日本から持ってきた八つ橋とヤードエージブックほんとキャディは苦労した。
「アングルはわかりにくいわ~、数字は見間違えるわ~」
下調べと急いだ時の冷静さが必要とされた。

今年の全英女子が開催されたターンベリーは、
私が2006年倉本プロのキャディーとして行った時のメモはこんなんです。

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このメモから倉本プロの繊細なプレーに答えるのは、至難の業でした。
選手も雨風が吹くと大変かもしれませんがそれ以外のスタッフやキャディも大変なんですよ~。
私が寒い全英シニアで雨で中断になったとき、キャディはテントしかなくて日本と違ってクラブハウスに入れません。
だから車に「暖」を取りに帰って、エアコンでカッパや靴を乾かしました・・・。

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そんな私に倉本プロの奥様から差し入れ!
さとうのご飯とボンカレーをクラブハウスで温めてきてくれました!
狭いレンタカーの中で4時間は過ごしました。
試合の待機って、いろいろなドラマがあるんですよ・・・。

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ABOUT ME
渡辺 宏之
1971年6月21日生まれ。神奈川県出身。 東洋大学を卒業後、スキーのインストラクターをしながら小中学の同級生、久保谷健一がプロになったことでツアーキャディーに。 2002年に久保谷プロの2週連続優勝の後、2003年USツアーに本格参戦。 2004年から倉本プロのキャディーを務め、2006年から07年はアメリカシニアツアーに参戦。 女子ツアーでは服部道子プロ、古閑美保プロ、諸見里しのぶプロのキャディーを務め、優勝に貢献。 2010年、14年ではシニア賞金王、倉本プロの専属キャディーを務める。 2012年、15年には、I・J・ジャンプロのキャディーを務め、中日クラウンズで2度の優勝。 日本で開催されたUSPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」では、2021年、マッケンジーヒューズで4位。いままで自身アメリカツアー最高位13位を上回る。 2022年もピーターマルナリティのキャディとして2年連続の参戦。 その年、倉本昌弘プロ(67才)のエージシュート「63」のマネジメント力を間近で感じる。