ツアー

キャディー版、プレジデンツカップ!?

 

ご無沙汰しています!
松山英樹選手のキャディしてます、進藤大典です。

PGATOURは今週のツアー選手権でシーズンが幕を閉じます。

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すでに会場のアトランタに入りましたが、今回は先日行われたプロキャディによる対抗戦についてご報告したいと思います。

ワールドキャディマッチと題されたイベントは、今年が第一回開催。

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プレーオフ初戦が終わった翌日8月29日に、コネチカット州のコースで行われました。

PGATOURでバッグを担ぐキャディが、世界選抜と米国選抜に分かれて団体戦を実施。
前日の夜には近くのホテルで組み合わせ抽選会も盛大に開かれ、まさにライダーカップやプレジデンツカップさながら、といったところ!(それは言い過ぎでした)

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試合当日、僕は22人の世界選抜チームに入ったのですが、午前中の団体戦でコンビを組んだのは、みなさんご存知、ローリー・マキロイのキャディ、JPフィッツジェラルド。

彼は昔、ゴルファーとしてフロリダで腕を磨いた時期があったそうです。

ローリーの試合中はいつも穏やかな彼ですが、朝、練習場で顔を合わせたときからなんだかピリピリモード…。

「ダイスケ、レーザー(ラウンド中、残り距離を計測する機械)持ってるか?オレは忘れた」

僕も持ってきてません。聞いてないっす。

みんなスタート前から本気度全開…試合になると、さらに熱は高まりました。

あの温厚そうに見えたJP、めちゃくちゃ怖かったんです。
ティショット以降はペアで交互に打つダブルスのマッチプレー。
僕らは出だし5ホールで3ダウンとなり、終始追いかける展開となりました。

終盤のホール、僕が残り135ヤードから9番アイアンで抑えて打ちに行ったところ、グリーンをオーバー。
するとJPは「何やってんだよ!奥からだったら難しくなるに決まってるじゃねーか!」とブチギレ…。
さらに、続く3打目でJP自身がチャックリすると、さらにブチギレ…。
ウェッジを叩きつけて悔しがっていました。

でも、1ダウンで迎えた最終ホール、僕が、僕が、僕が!
すごいフックラインのバーディパットを決めてドローに持ち込むと、JPは大はしゃぎ「ダイスケ!最高だ!」
この変わりよう、この勝負にこだわる姿勢は、ボスのローリーと似ているのかもしれませんね。
ちなみに午後はシングルマッチプレーで、ジェイ・ハース・ジュニアというキャディにボロ負けしました。

名前から分かる方もいらっしゃるでしょう。

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彼は往年の名選手、ジェイ・ハースの長男で、レギュラーツアーでも活躍中のビル・ハースのお兄さん。
プロゴルファー一家の家系で、当然ながらかつてトッププロを目指していたキャディ。
当たり前ですが、めちゃくちゃうまかったです…。

アメリカはキャディさんも、とにかくよく飛びます。
プロより飛びそうなキャディさんもいます。

ちなみにザック・ジョンソンのキャディ、デーモン・グリーンは実力者として有名。
バークレイズの最終日は体調不良でザックから急きょお休みをもらうアクシデントがありましたが、このマッチプレーには堂々参加。

ちなみにちなみにダスティン・ジョンソンのキャディ、弟でもあるAJ(超イケメン。ガールフレンド超美人)はこの真剣勝負の中でも朝からビールを飲みまくり、途中でティグラウンドを間違えそうになるハプニングもありました。
最終的に世界選抜は米国選抜に完敗してしまいましたが、本当にエンジョイできた1日になりました。

こういう舞台に参加できたのも、やっぱり英樹が世界のトッププロとして認められているからこそです。

本当に感謝の言葉しか見つかりません。

この週のプレーオフ第2戦・ドイツバンク選手権は金曜日が大会初日となっており、参加したキャディたちのボスであるプロのほとんどが水曜日から現地で練習する流れでした。

でも英樹はこの月曜日、もうコースで練習ラウンドをしていたんです。

それを伝えるとJPは「ローリーも水曜からだぜ。相変わらずだな、ヒデキは。いっつも練習してる。Take it easy…」と笑っていました。

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さあ、今週で2015-16年シーズンも終わりです。もちろん最終戦も今季2勝目を狙ってプレーします。

 

 

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ABOUT ME
進藤 大典
1980年7月3日生まれ。京都府舞鶴市出身。 東北福祉大学ゴルフ部時代には、先輩に星野英正・谷原秀人、同期には宮里優作・岩田寛というスーパースターの陰に隠れ、ゴルフ部のムードメーカーであり、『東北福祉大学ゴルフ部の秘密兵器』として4年間を過ごす。 卒業後、谷原秀人プロ専属としてツアー参戦。増田伸洋プロとの、よみうりオープン優勝、谷原秀人プロとの数々の優勝、全英オープン4位などに貢献する。 2013年からは松山英樹プロとPGAツアーに参戦する。 通算15勝