ツアー

コースメモ

 

プロの試合で必ず手にして見ているのがコースメモ!
今はどの試合でもあり、数字も機械計測されていて、結構正確である。

その昔は、歩いたり、コロコロを使って距離を計ったり、倉本プロに関しては、工事現場に使う測量計を持ち込んでキャディが高低差を出していたらしい。

私もニコンがレーザー距離計500というのを発売し、2003年アメリカツアーでプロが使っていない中、いろいろ計っていた。
その当時のレーザーは、対象物が大きいと500ヤードまで計れるのだが、ピンフラッグだと100ヤードくらいまでしか当たらず苦労したものだ。

いまやグリーンの傾斜まで入っている。

2004年くらいから倉本プロの豊富な知識に何か私がキャディができることとしてプラスになることはないか?と考え、2005年ごろからアメリカから買ってきた傾斜計を日本に持ち込んだ。
それを使って、グリーンを5ヤード分割にして計測したのは私が初めてであろう。
なぜ?そんなことが言えるかというと、2005年のコースメモから傾斜の数字が入っており、そもそもコースに一人で計りに行って、誰とも会わなかったから、私しかいないと思う。

それを作るのに、最低8時間はかかった。
グリーンが50ヤードくらいあるときは最悪。
練習が終わったあと日が暮れるまで計り、尚且つ終わらないときは、朝陽が昇る前に行って計った。
そしてそのあとキャディした。
1日3万歩は歩いていた。

今や、コースメモを作る会社が全部やってくれる。
非常に有難い。

それが全英女子オープンに行ったら、多大な進化を遂げていた。

グリーンメモが1ヤード刻み。

1 2

しかも1ヤードの中にも傾斜が書いてあるメモまである。

3 6 5 6

しかも料金が半端ない。

1ヤード刻みで傾斜の向きだけが入ったメモ。

40ポンド=約6000円

傾斜に角度が入ったメモ。

60ポンド=約9000円
2ページにわたり、傾斜の角度と1ヤード刻みの中に更に細かい別れた傾斜が入ったメモ。

80ポンド=約12000円
当時、私が作ったメモを3000円くらいかなー?と考えていた実に4倍である。
(あまり作成時間と疲労で諦めました)

販売している人に、
「どうやって作るの?」
と片言の英語で聞いたら、

「事故捜査などで警察が導入している機械を使っている」らしい。
(片言?片耳くらいのヒアリング力なので、定かではない)

こんなのをグリーン上で見ていたら、「目がチカチカする」
と桃子プロは言う。

そしてこんなメモを12000円も出して買うキャディの私を
「日本一のアホキャディ」
と、お誉めの言葉を頂いた。

ここまでコースメモが進化して思う。

ゴルフはやはり、見た目と勘。

プロゴルファー猿のようにクラブは1本!

データより創造(想像)をふくらませましょ!

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ABOUT ME
渡辺 宏之
1971年6月21日生まれ。神奈川県出身。 東洋大学を卒業後、スキーのインストラクターをしながら小中学の同級生、久保谷健一がプロになったことでツアーキャディーに。 2002年に久保谷プロの2週連続優勝の後、2003年USツアーに本格参戦。 2004年から倉本プロのキャディーを務め、2006年から07年はアメリカシニアツアーに参戦。 女子ツアーでは服部道子プロ、古閑美保プロ、諸見里しのぶプロのキャディーを務め、優勝に貢献。 2010年、14年ではシニア賞金王、倉本プロの専属キャディーを務める。 2012年、15年には、I・J・ジャンプロのキャディーを務め、中日クラウンズで2度の優勝。 日本で開催されたUSPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」では、2021年、マッケンジーヒューズで4位。いままで自身アメリカツアー最高位13位を上回る。 2022年もピーターマルナリティのキャディとして2年連続の参戦。 その年、倉本昌弘プロ(67才)のエージシュート「63」のマネジメント力を間近で感じる。