ツアー

ISPS HANDA夏に爆発どれだけバーディー取れるんだトーナメント 振り返り

先週の男子ツアーは、新規開催となった「ISPS HANDA夏に爆発どれだけバーディー取れるんだトーナメント」。その名の通り、驚異的なバーディー合戦が繰り広げられました。4日間を振り返ってみましょう。

初日

大会初日から好スコアが続出。
午前中は風が弱くスコアを伸ばしやすいコンディションでしたが、昼頃から徐々に風が強まり、午後スタート組は難しい環境の中でのプレーとなり、スコアも伸びないかと思いましたが、この日のベストスコアの10アンダーは午後スタートの小斉平プロ。

そんなコンディションの中、この日のオーバーパーはわずか5人。
アンダーパーは131人という驚異的な数字となり、易しいセッティングとはいえ、これだけ多くの選手がスコアを出すのは圧巻の1日目でした。

2日目

2日目も引き続きバーディー合戦が展開。
オーバーパーは11人にとどまり、2日間を終えてオーバーパーはわずか1人。
その一方で、アンダーパーは138人にまで増加。

カットラインはなんと8アンダー。
これまでの国内男子ツアー予選カットラインの記録(6アンダー)を更新しました。
スコアが出やすいとはいえ、プロの技術力の高さを改めて感じさせるラウンドでした。

3日目

3日目も南風が吹くコンディション。朝は弱風ながら、午後にかけて徐々に強まりました。
それでも上位陣はスコアを量産。6アンダーを出しても順位を落とし、7アンダーで現状維持というハイレベルな戦い。

「易しい」と言いながらも、そこに食らいつくには毎ホール集中力が求められる、今までにない異次元の展開となりました。


日清都カントリークラブ

最終日

最終日は朝から雨模様。
序盤は小雨と弱風でプレーしやすい環境でしたが、後半にかけては雨風が強まり、早いスタート組がやや有利に。
一方で最終組に近い選手たちは厳しいコンディションの中でのプレーを強いられました。

それでも下位からビッグスコアを叩き出して上位に食い込む選手が現れるなど、最後まで見どころ十分。
最終日のピンポジションは比較的易しく設定されていたこともあり、雨がなければ11〜12アンダーを出せた選手もいたのではと思わせる展開でした。

優勝争い

最終的に優勝争いは30アンダーで並んだ比嘉一貴プロと米澤蓮プロのプレーオフへ。
劇的な決着は比嘉プロのイーグル!
大会名を超えるイーグルで華やかな幕切れとなりました。

ちなみにトップ10に入るには24アンダーが必要。
「易しいセッティング」とはいえ、毎日6アンダー以上を求められるタフさは、ミスが許されない厳しい戦いでもありました。

スコア量産に繋がった背景

今回これほどまでにスコアが伸びたのには、いくつかの要因がありました。
 • 距離が短め(6,932ヤード):プロにとっては短い距離設定。
 • 柔らかいグリーン:ショットが止まりやすく、ピンをダイレクトに狙える状況。
 • プリファードライ(4日間採用):フェアウェイを捉えられると1クラブ以内にボールを拭いて置けるので、フェアウェイでも沈みやすい洋芝で良いライから打てる
 • 風向きが安定(南風でほぼ同じ方向):4日間ほぼ同じ読みで対応でき、選手にとっては攻略がしやすかった

こうした条件が揃ったことで、バーディーラッシュが生まれたと考えられます。

ただし、ホールごとに特徴的なロケーションも多く、空中に枝が迫り出していたり、フェアウェイが狭かったりと、アマチュアが回れば難しさを実感するホールも多いコースでした。プロの凄さを改めて感じさせてくれる大会でもありました。

次週に向けて

次週も引き続きISPS HANDAの大会。
今度は「誰が1番強いんだ」というタイトル。
バーディー合戦から一転して、簡単にはスコアを出せないセッティングになるのかもしれません。
今週とは真逆の展開になるのか、注目です❗

 

ecc

ABOUT ME
関根 淳
1975年5月24日生まれ。通算3勝。 空気のような、終わってみれば『そう言えばいたなぁ〜』と言われるぐらいの存在でありたい! 2010〜11年は丸山茂樹プロ専属キャディーを務め、2012年からは山下和宏プロ専属キャディーとしてツアーに参戦。 その後フリーで多くの選手のキャディーを務める。2025年は阿久津未来也プロ、山城奈々プロなどを中心に男女両ツアーに参戦。今年も若手からベテランまで色々な選手をフリーでキャディーを務める予定。