ツアー

VISA太平洋マスターズ最終日中止、優勝の歓喜

IJジャンプロ、3打差4位タイの好位置。

トップは片山晋吾プロ。

3位にはババワトソンがつけていた。

やり甲斐がある。

朝から霧雨、濃霧の中、黙々と…いや虎視眈々と練習するジャンプロ。

その練習を冷静沈着に見るキャディ。

その中、トップスタートの組がフィールドに出ていく。

しばらくすると練習場のボールさえ見えなくなる濃霧。

試合も中断。
そして再開。

南風が吹くと霧が更に立ち込める。
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また再度中断。

練習場では諦めて選手がクラブハウスに引き上げていく。

テンションが下がり気味になっている中、練習場に残っているプロはジャンプロ、武藤プロ、片山プロ。

そこにアナウンスが流れる。
「只今競技を中断しています。最終判断は20分後に再放送します」

練習場にいる関係者は、この状況からすぐに霧がはれるわけがないと思う人がほとんど。

片山プロをひやかしにいく。

ジャンプロは、「もう無理ですねー」と片山プロに近寄り、

ペットボトルの水をかけに行こうとする。

片山プロ
「ジャンさん、早すぎだし、それ水じゃなくってスポーツドリンク!ベタベタになっちゃうでしょ!」

そしてアナウンス「協議した結果、濃霧の為4日目の競技を中止にします」

片山晋吾プロの優勝!

規定により賞金換算は75%になるが1勝は1勝。

練習場は皆この状況なら仕方ないと、片山プロのもとに「おめでとう!おめでとう!」の人だかり。
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握手するひと、抱き合うひと、涙するひと、これが初優勝のキャディは女の子で泣きたいのだが3日で終わってしまったので中途半端な涙。(笑)

そんな中ジャンプロは、今度はペットボトルではなく、クラブを洗うバケツを持って晋吾プロにかけようとしていた。
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(上下黒いウェアに白いベルトがジャンプロ)

ナイスジョーク!

今流行りのラグビーの言葉を借りれば、

「ゴルフのNO SIDE !」

試合が終わった瞬間から相手を称えるスポーツマンシップの素晴らしさ。

私がスポーツの好きなところでもある。

そんな私の高校時代、文化祭でクラスが作った映画が「俺たちのNO SIDE」
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(ギターを持っているのが私ですが、顔はNG)

私の担当は、当時親が8ミリビデオカメラを持っていたことからカメラマン。

役は、仲間とケンカをし、バケツで水をかけられる役であった…

だから今度優勝したときは、バケツで水を私にかけてくださいね。

慣れてますから!

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ABOUT ME
渡辺 宏之
1971年6月21日生まれ。神奈川県出身。 東洋大学を卒業後、スキーのインストラクターをしながら小中学の同級生、久保谷健一がプロになったことでツアーキャディーに。 2002年に久保谷プロの2週連続優勝の後、2003年USツアーに本格参戦。 2004年から倉本プロのキャディーを務め、2006年から07年はアメリカシニアツアーに参戦。 女子ツアーでは服部道子プロ、古閑美保プロ、諸見里しのぶプロのキャディーを務め、優勝に貢献。 2010年、14年ではシニア賞金王、倉本プロの専属キャディーを務める。 2012年、15年には、I・J・ジャンプロのキャディーを務め、中日クラウンズで2度の優勝。 日本で開催されたUSPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」では、2021年、マッケンジーヒューズで4位。いままで自身アメリカツアー最高位13位を上回る。 2022年もピーターマルナリティのキャディとして2年連続の参戦。 その年、倉本昌弘プロ(67才)のエージシュート「63」のマネジメント力を間近で感じる。