ツアー

日本シニアオープンのピン位置とセッティング

日本女子オープン・日本オープンとキャディをしたが、ラフが一番長いのはシニアオープン。

そんなに50才から70才以上のプレーヤーもいるのに、パワーゴルフのセッティングはやめて~!という感じ。
しかしシニアの職人技アプローチは、目をパチクリパチクリしてしまう。

例えば青木功プロ。

2日間一緒の組で回ったのだが、上げたり転がしたり、イメージがわく方で攻める。5アイアンで転がしたり、30ヤード手前から3ウッドでパンチショット気味にグリーンに転がしあげる。

青木プロに、
「そういう技を若者に伝えていってください」

と言ったら、

「こんなことやったら、なに遊んでんですかー?と言われ笑われちまうよ~」と言っていた。

そりゃ~、あの技は理解できないし、なかなかできるものではない。

50才になってプロ転向した田村尚之プロも教科書にはない構え。
ハンドレイトにしてがに股棒立ち。そこからの柔らかい球。

倉本プロの技を説明したいが、これまた多すぎて面倒臭い。
自在で多彩。

そんな職人集団に、JGAはあの手この手でスコアがよくなるのを抑えようとする。
グリーン周りの寝たラフを、試合終了後にスタッフ総出で逆目に立てる。
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熊手を使ってグリーンに向かって丁寧に芝を起こす。
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そのスタッフに私は優しく声を掛ける。
「もう遅いし、お疲れでしょうから今日は帰ったほうがいいですよ」と。
その言葉にスタッフは、ニマっ!と笑みを浮かべる。

それとピンの位置は当然難しく傾斜のあるところに切るのだが、試合なら仕方ない。
だが指定練習日の月曜は半端ない。
大会前にグリーンを傷めないようにという心遣いはわかるが、これはちょっとやり過ぎ?

グリーン手前から1ヤードの位置にカップが切られている。
しかも何ホールも。
倉本プロと湯原プロは一体どのくらいあるんだろー?と興味津々。
自分のパターで計って写真を撮っている。
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もうここまできたら、カラーに切ったほうがグリーンが痛まないんじゃないか?と私は考える。

日本一を決める試合、選手はいろんなものと戦っている。

 

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ABOUT ME
渡辺 宏之
1971年6月21日生まれ。神奈川県出身。 東洋大学を卒業後、スキーのインストラクターをしながら小中学の同級生、久保谷健一がプロになったことでツアーキャディーに。 2002年に久保谷プロの2週連続優勝の後、2003年USツアーに本格参戦。 2004年から倉本プロのキャディーを務め、2006年から07年はアメリカシニアツアーに参戦。 女子ツアーでは服部道子プロ、古閑美保プロ、諸見里しのぶプロのキャディーを務め、優勝に貢献。 2010年、14年ではシニア賞金王、倉本プロの専属キャディーを務める。 2012年、15年には、I・J・ジャンプロのキャディーを務め、中日クラウンズで2度の優勝。 日本で開催されたUSPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」では、2021年、マッケンジーヒューズで4位。いままで自身アメリカツアー最高位13位を上回る。 2022年もピーターマルナリティのキャディとして2年連続の参戦。 その年、倉本昌弘プロ(67才)のエージシュート「63」のマネジメント力を間近で感じる。