ツアー

狙って奪った会心のバーディ

 

上がりのバーディ、バーディは圧巻でした。

残り2ホールで2つ取らなきゃ予選を通過できないのが分かっている中での、狙って奪った会心のバーディ。

結果、最後の最後で予選通過圏外に弾かれてはしまいましたが、菖ちゃん自身は今までの努力をあそこで全て出し切りましたよ。

予選通過の望みが断たれた時は僕も、今年1番ぐらいの悔しさだったけど、それと同じぐらいの嬉しさもありました。

菖ちゃんには、今まで本当にキツく言ってきたんです。

ゴルフの事はもちろん、常日頃の態度や言葉使い、プロとしてどうあるべきかなど。

菖ちゃんとの出会いには、何かしらの縁を感じてたし、やればこの子は必ずできると思ってた。

途中で投げ出す様ならすぐにでも切ってやろうと思ってたけど、文句を言いながらでも、あの子は僕の言ってきた事をずっと今までやり続けてきたんです。

出会った頃にまず言ったのは、

「パターは毎日部屋に持って帰って、素振りだけでもいいからやりなさい」って。

正直、恐ろしいぐらいパットが下手だった。
あのパッティングだと話しにもなんない。

あの日から、パターは毎日持って帰ってんじゃないかなー。
南先生にもたくさん教えられたはず。
泣きながらパター練習してる時もありましたからね。

今日の菖ちゃんは、1.5mぐらいのパーパットが6回ぐらいあったんだけど、それを全て完璧に沈めました。

最後の2ホールのバーディパットは、今までならカスリもせずに外してた菖ちゃんにとっては凄く苦手なラインだったんですよ。

菖ちゃんが今シーズン、何千球、何万球と練習し続けてきたからあれを入れられた。

予選落ちが決まった後、南先生が僕に言ったんです。

「梅さん。あの最後の1打は、菖ちゃんの人生を変える1打ですよ」

菖ちゃん。

俺もそう思うよ。

変えてやれ、人生を。

待ってるから。
必ず帰ってこい。

 

 

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ABOUT ME
梅原 敦
1974年4月5日生まれ。京都府出身。 1998年の「つるやオープン」より藤田寛之プロとコンビを組み、15年間右腕として専属キャディーを務める。 藤田寛之プロとのコンビでは14勝をあげ、賞金王、海外メジャーなどでも常に横にいた。 2014年からフリーとなり、2015年サントリーレディスオープンでは成田美寿々プロとのコンビで優勝。 2016年では日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップにて、塚田 陽亮プロとコンビを組み優勝をあげた。 2017年日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯では李知姫プロキャディとして通算22勝目をあげる。 ブログ:http://atsushi-umehara.com/